人類は突如出現した巨人に絶滅寸前まで追い詰められた。生き残った人々は巨大な城壁を築きその中に閉じこもることで何とか絶滅を免れる。100年後、かりそめの安定は巨大城壁をも超える巨人の出現により破られた。エレンは閉塞的な社会を嫌い城壁の外を目指す少年だったが、5年前の超大型巨人の出現から始まる騒動で母親を亡くし、幼なじみのミカサと共に巨人と戦う兵士を育成する訓練兵団の訓練兵となる。別冊少年マガジンで連載中。
(諫山創)いさやまはじめ。1986年生まれ。大分県立日田林工高等学校卒業。漫画家。『HEART BREAK ONE』 で週刊少年マガジン新人漫画賞特別奨励賞、『orz』 で週刊少年マガジン新人漫画賞入選を受賞、デビュー。本作で講談社漫画賞少年部門を受賞。
ついに、買ってしまいました進撃の巨人。話題作にこうも弱い私ですが、本作は購入までに結構迷いました。だって画が私好みじゃないんですもの…。1、2巻はデッサンも画のラインも粗く、正直まだまだプロのレベルじゃないぞと思いましたが4巻まで出ている現在、だいぶ落ち着いてきました。
このマンガの最大のポイントは、人を喰らう巨人とその巨人から逃れるべく、城塞都市を築いてそこに立てこもる(要するにカゴの鳥)、人類の攻防にあります。100年間守られた平和、というよりたまたま巨人が城壁を越えられない大きさだったため、人類は壁の中でのほほんと暮らしていたのですが、ある日突然壁を越える超巨人が表れる。ネオ・ジェネレーションですな。それで人類は慌てふためくという。
評価:(久々の少年マンガ)
そもそも、この巨人が忽然と現れたこととか、城壁を作る間犠牲は大丈夫だったのかとか、本当に城壁内で自給自足のサイクルがまかなわれているのかとか、ツッコミどころは満載ですが敢えてそういうことは置いておいて、とにかく敵は、巨人。小さな人類が刃向かうには巨大すぎる存在、しかも知性がないようで交渉もできない。
そんな八方ふさがりの中、まさに力こそ正義、で巨人を倒すことの出来る精鋭戦士達が育っていく。それでも倒される人類の前に、突如人類の味方をする巨人が現れた。
ふーんなるほど。エレンが巨人化する能力を手に入れた、ということで巨人そのものの出現の謎を問いかけています。巨人化してるエレンはその間は意識がないらしく、夢を見ているような状態らしい。まさかこれは、まさかの夢オチ?じゃないことをもちろん多くの読者の皆様と同じく私も祈っておりますが(笑)。
様々なレビューを見ていると 『現在公開可能な情報』 として兵士達の武器や、巨人の大きさの種類や、城塞都市の作りなどがコラム形式ではさまれていて、それが巧いとあります。本当に 『公開可能』 なんて言葉使っちゃうあたり、思わず笑いそうになってしまい私もいつの間にかこの世界に引き込まれているのかも。
最初読んだ時よりも二度三度と読み返していくと、なんだか味があるような気がしてきます。しばらく連載が続くのと共に、単行本買いが続くことでしょう。それにしても着地点をどうするのかね、それが一番楽しみです。