13歳のときに突然住む家をなくなり、近所の公園に一人住むようになった田村少年。空腹と闘いダンボールで飢えをしのいだ日々、いつも心の中にあった亡き母への想い。兄弟を引き合わせ一緒に暮らせるようにしてくれた近所の大人達。変わらず付き合ってくれた友人達。貧しくひもじいながらも兄弟助け合い、生き抜いた、麒麟 田村裕の自叙伝。
(田村裕)たむらひろし。1979年大阪府生まれ。大阪府立吹田高等学校卒業。お笑い芸人。大阪NSC(吉本総合芸能学院)20期生。所属事務所は吉本興業、コンビ名は麒麟、相方は川島明。本作がベストセラーになる。
【味の向こう側】 に何よりも感銘を受けた。スゴイ!!!
田村少年をはじめ兄、姉も3人が皆、父親への不満をあえて書かないところが潔いと思う。こうなってしまった事実を受け入れ、父を責めない田村氏は本当に大人だ!
お笑い芸人は
【心】 がなくてはダメだと常に思っております、どんなに面白いことを言っていても、それが誰かを陥れようとするネタは聞いていても不愉快なだけ。麒麟のネタはあまり知らないのですが(スミマセン)きっと心ある漫才をしているに違いない。と思います。
父を責めるよりも助け支えてくれた中学時代の友人の親御さんら周囲の大人、近所の人々、高校の先生など、周りの人への感謝が詰まっているところは読んでいて本当に清清しい。
ただ、小5で亡くしたお母さんへの想いと、いつでもお腹を空かし辛い想いを抱えていた中高時代は、一生田村氏について回るかと思うとそれだけで涙が出そう。私も母として子ども達が大きくなるまでは絶対に死ねん。と思ってしまいました。
評価:



(5つ満点)
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