ネットオークションにはまる専業主婦。会社が倒産し主夫となる営業マン。妻が出て行った家で初めて自分の城を作ることができた夫。夫のいない家で妄想に耽る妻。夫婦それぞれの 『家』 に対する想いを込めた、連作短編集。第20回柴田錬三郎賞受賞。
(奥田英朗)1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライター、構成作家を経て作家に。『邪魔』 で大藪春彦賞、『空中ブランコ』 で第131回直木賞を受賞。主な著書に 『イン・ザ・プール』 『町長選挙』 『ガール』 など。
(収録作品)サニーデイ/ここが青山/家においでよ/グレープフルーツ・モンスター/夫とカーテン/妻と玄米御飯
連作短編集として全ての作品のテーマが
【家】 という趣向が面白く、よくできている。
『サニーデイ』 が秀逸。ネットオークションにハマった妻、自分の出品したものが評価され、徐々に高評価を得るに従い、その快感から顔のシワまで消えてしまったなんて!まぁ女性をよく観察して表現しているものだわ。ラストも秀逸、必読。
奥田作品は展開が見事で、TVドラマか映画のよう。ドラマシリーズにこのままできそうな本作、読んでいて楽しい短編ばかりでオススメ。
評価:




(5つ満点)
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