忍者ブログ

DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

奇跡

kiseki.jpg両親が離婚し離れ離れになった兄弟。兄の航一は母と祖父母と鹿児島で、弟の龍之介は父と福岡で暮らしている。再び家族4人で暮らす日を夢見る航一は、ある日九州新幹線の始発電車同士がすれ違うときに奇跡が起こるという話を聞く。周りの大人達を巻き込んだ壮大な計画は、思いもよらない 奇跡を生み出していく。是枝裕和監督作品、まえだまえだ初主演。

まえだまえだ、弟の演技がすごすぎる…誰しも同じシーンで号泣したはず(笑)。この2人をオーディションで見て監督が脚本を書き換えた、というのも納得。内田伽羅ちゃんは演技はとってもいいのですが、いかんせん弟の同級生、小4という設定はちょっと無理すぎました。背が大きすぎます。6年生でも無理な感じなのに。夏川さん、阿部さんはもうちょっと見たかったですね、今回出番が少ないです。まえだまえだ兄は繊細なお兄ちゃんを見事に演じていて、本当に是枝監督の子役の見せ方が、すごいです。

そして 『奇跡』 …起こりましたか?ぜひ映画を観て確かめてください。

評価:(5つ満点)

PR

わたしを離さないで

nlmg.jpg自然に囲まれた寄宿学校でキャシー、ルース、トミーは幼い頃からずっと一緒に過ごしてきた。外界と完全に隔絶したこの謎だらけの施設で純粋培養さながらに大切に育てられた3人。彼らは自分たちが背負う過酷な宿命を知らずに恋や友情を育み、儚い青春を懸命に生きていた。帰る家を持たず寄宿舎生活を続けている彼らを待ち受ける、過酷な運命とは。

イギリス在住の作家 カズオ・イシグロ氏原作。イシグロ氏のルーツは日本ですが原作は英語で書かれているそうです。臓器移植法が進んでいたらこういう社会になっていただろう、という物語で、非常によくできていると思います。物語の舞台は子ども達が11歳の1978年、18歳になり寄宿舎を出て 『コテージ』 と呼ばれる施設で共同生活を始める1985年、そして物語の終盤、28歳になった1995年。 『28歳で物語は終盤を迎えている』 のです。

寄宿舎で大事に育てられながらも、帰る家もなく親の顔も知らず、自分達の存在について常に自問自答を続ける子ども達。そしてその用意された答えの、過酷さ。限られた条件の中で、時に根拠のないデマに突き動かされたりしながらも子ども達は精一杯生きようとします。そして迎える 『終了(Complete)』 の時。

Complete…その言葉の恐ろしい意味を、ぜひ映画を観て確認してください。時代設定を近未来ではなくあえて1970年代~にしたのも見事です。高度医療社会への激しい警鐘だと、私は感じました。

評価:(5つ満点)

栗花落

overflow.png梅雨入り間近
栗花落、と書いて 『つゆり』 と読みます。
栗花落→栗の花が落ちる頃→梅雨入りする→つゆり
だそうです。いつも夕方見るニュースの中のお天気クイズでやっていました。調べたところ栗花落さんという名字の方がいらっしゃるようです、風流なお名前ですね。なお賢いATOKは つゆり →F2(人名変換)→栗花落  を一発で出してくれます。MS-IMEのおバ●加減に怒り心頭の方はぜひATOK導入をオススメします。

というどうでもいい導入ですが、私はJustsystemの回し者でもありませんしこちら北東北はまだ入梅もしていません。

オーバーフロー
このところまた業務過多、オーバーフローになっておりエンスト寸前でした。どうしてこうなってしまうんでしょう…この貧乏性な性格は、どうしたら直していけるのでしょう?先週はもうどこにも行きたくないし何もしたくない、とまで思ってしまいましたがそこまで自分で自分を追い詰める自分という存在もかなり持て余し気味で、一体どうすりゃいいのさ。なんて思っていました。

結局は、自分で自分の面倒を見ていくしかないのですね。オーバーフローになっていたら、どこかでブレーキをかける。本当に自分がしたいことは何か、自分に問う。そしてどれもやりたいのであれば、うまくスケジューリングしていくしかないのです。

きことわ*朝吹真理子

kikotowa.jpg葉山の高台にある別荘で幼い日をともに過ごした貴子と永遠子。ある夏、突然断ち切られたふたりの親密な時間が25年後の別荘の解体を前にしてふたたび流れ始める。『新潮』 掲載を単行本化。芥川賞受賞。
(朝吹真理子)1984年東京都生まれ。慶應義塾大学博士課程前期在籍中(近世歌舞伎)。本作で芥川賞、『流跡』 でドゥマゴ文学賞を受賞。

実に爽やかな一冊。きこととわこは仲が悪いのかと思っていたら全然違ってて仲良しだった。しかも歳が結構離れていた。お金持ちのお嬢さまと別荘番の娘の話、というありきたりな関係ながら2人の関係は簡単に言い表せない、不思議な縁で結ばれていた。

長年会っていない人でも、こうして心が通じる時があるのだ、ということ。別荘の解体を通じて懐かしい記憶に浸れただけでも、きこととわこは幸せだったのかもしれない。

しかーし、テーマは不明(笑)。そこが純文学。

評価:(5つ満点)

ハーモニー*伊藤計劃

harmony.jpg健康 を基盤とし調和を何よりも尊重する未来社会。人々は互いをいたわり合い思い合う、理想社会。高度医療福祉社会はある衝撃的な事件を機に崩壊の危機に瀕した。WHOの監察者 霧慧トァンは事件の背後にかつて自殺したはずの親友の影を見る。人類社会のの最終局面に立ち会った2人の女性の物語。  日本SF大賞、星雲賞日本長編部門、フィリップ・K・ディック賞特別賞受賞。
(伊藤計劃)いとうけいかく。1974年東京都生まれ。2009年没。武蔵野美術大学卒業。本作で 日本SF大賞、星雲賞日本長編部門、フィリップ・K・ディック賞特別賞受賞。著書に 『虐殺器官』 。

見事なSF。人々が健康を最優先し、他人を尊重しいたわり合うユートピア。そしてそのユートピアを息苦しく感じる少女達。自殺すらできない社会で自殺を図った少女らのうち1人が死に2人は生き残った。生き残った罪悪感を抱えながらトァンは生きていたが、ある日この 『死ねない社会』 で大量の同時自殺が起こる。

というお話。健康は全て体内に埋め込まれた医療マシン、Watch Meによって管理され、誰もが太りすぎず痩せすぎず、お肌は美しく血圧も血糖値もみな正常、という理想社会。そこに反発するトァンの方がおかしいんじゃない?とも言えますが、トァンの立場になってみれば、まさにWatch Meに監視され続ける一生なんて、まっぴら。このWatch Meって名称もすごくセンスいいですね~ナノ型医療マシン、体内の血管の中をグルグル駆け回り、宿主(だ、まさに)のデータを常に健康管理サーバに送り続ける。ちょっとでも暴飲暴食をしようとすると立ちどころに警告が鳴る。【あなたは、社会の大切な資源なのです。資源はそのよい状態を保つ義務があるのです。】 というのが健康維持の理由。なーるほどー。

しかし争いのない理想社会は、個人の意志のない社会であった。自らの意志決定すらできない社会、食べるものも飲むものも、そして死ぬことさえも。悩みがある、その悩みで苦しいと思える今がありがたいのだなと読了後、実感してしまいました。

SFエンターテイメントでありながら、その辺の純文学よりずっと人類の本質、生きることの本質について説いています。驚愕のラストまでオススメです。

評価:(5つ満点)

八日目の蝉

youkamem.jpg恵理菜は21歳の大学生。赤ん坊の頃に父の不倫相手である希和子に誘拐され、4歳で初めて実の両親の元に戻されるが、事件により本当の両親とコミュニケーションがとれないまま成長してしまう。事件で疲弊し尽くした家族、その家族から離れ一人暮らしをする恵理菜もまた不倫の恋に入り込んでいる。ある日ルポライターの千草が訪ねてくる、彼女はあの誘拐事件を本にしたいと言うのだが。

井上真央の演技がすごいです、あと恵理菜のおかあさん役の人もすごいです。NHKで放映された連ドラでは視点を希和子に固定していたので視聴者もどうしても希和子に同情しがちでしたが、この映画では視点を誘拐された赤ん坊である恵理菜に固定し、その苦悩をこれでもかと表現しているところがまた、いいですね。

井上真央はとっても可愛いですが本作ではなかなかに骨太な表情も多く見せます、いい女優さんです。あと本作で見逃してはならないのが~恵理菜の恋人役の劇団ひとり!この人、かなりいいではないですかっ。やるせなさ、いいかげんさ、行き当たりばったりさ、を見事に表現しています。思わぬ名優?を見つけてちょっと嬉しい作品でした。

評価:(5つ満点)

八日目の蝉(NHK放送ドラマ) 2010/05/27

進撃の巨人*諌山創

singeki.jpg人類は突如出現した巨人に絶滅寸前まで追い詰められた。生き残った人々は巨大な城壁を築きその中に閉じこもることで何とか絶滅を免れる。100年後、かりそめの安定は巨大城壁をも超える巨人の出現により破られた。エレンは閉塞的な社会を嫌い城壁の外を目指す少年だったが、5年前の超大型巨人の出現から始まる騒動で母親を亡くし、幼なじみのミカサと共に巨人と戦う兵士を育成する訓練兵団の訓練兵となる。別冊少年マガジンで連載中。
(諫山創)いさやまはじめ。1986年生まれ。大分県立日田林工高等学校卒業。漫画家。『HEART BREAK ONE』 で週刊少年マガジン新人漫画賞特別奨励賞、『orz』 で週刊少年マガジン新人漫画賞入選を受賞、デビュー。本作で講談社漫画賞少年部門を受賞。


ついに、買ってしまいました進撃の巨人。話題作にこうも弱い私ですが、本作は購入までに結構迷いました。だって画が私好みじゃないんですもの…。1、2巻はデッサンも画のラインも粗く、正直まだまだプロのレベルじゃないぞと思いましたが4巻まで出ている現在、だいぶ落ち着いてきました。

このマンガの最大のポイントは、人を喰らう巨人とその巨人から逃れるべく、城塞都市を築いてそこに立てこもる(要するにカゴの鳥)、人類の攻防にあります。100年間守られた平和、というよりたまたま巨人が城壁を越えられない大きさだったため、人類は壁の中でのほほんと暮らしていたのですが、ある日突然壁を越える超巨人が表れる。ネオ・ジェネレーションですな。それで人類は慌てふためくという。

評価:(久々の少年マンガ)
 

クレイジーフォーユー

crazyfor.png

1930年代のニューヨーク。銀行家を母に持つボビーは踊ることに夢中でザングラー劇場に通う毎日。ザングラー劇場で興行主でもあるベラ・ザングラーに自分のタップダンスを売り込むが相手にされず。母親はボビーを跡取りにすべくネバダ州のデットロックへ物件の差し押さえに行かせるが、ボビーはそこで出会った差し押さえ先の娘ポリーに一目惚れしてしまう。全編にタップダンスを盛り込んだ劇団四季のコメディー。

全国公演はクレイジーフォーユー。この演目も四季の看板となって相当長いですね。でも初めてです。この頃ちょっとうちの中がゴタゴタしていてほんっとうに観劇どころじゃなかったのですが、チケットもったいないし行ってきてしまいました。色々悶々としつつも観劇はたっぷり楽しみました。

長い演目です、3時間半。長丁場なので最初のうちは俳優達は歌を抑え気味で、そこはちょっと仕方ないかな。歌もダンスも十分楽しめます。

ボビーというキャラクターがいつまで経っても一人前の仕事ができず、挙げ句おかあさんに尻を叩かれて渋々仕事に行く、というキャラなので、難しいと思います。ボビー役の小柄な松島さんはその愛されるべきキャラクターを見事に演じてました。この長丁場、彼は最初から最後まで歌もダンスもどこで休んでいるのかと思うほどの迫力で、ここまでやってこそプロ。とまたまた感動をもらいました。

四季友達のKNさんは 『私一番前の席を取ったんですよ~』 の宣言通り、一番前にいてカーテンコールの時も真っ先にスタンディングオベーションでございました。KNさん、そんな前じゃ首が痛かったろう…。

来年の全国公演も楽しみです、来年こそは家庭内のゴタゴタを片付けて、気分良く観劇を目指します(笑)。

評価:(5つ満点)

カウンター
ツイッター始めました
今週の私
急にアクセス数が増えていて、自分でもビビリ…(笑)。10/10でブログ開設10周年!日付が追いつくよう頑張ります。
只今読破中
木皿泉 『昨夜のカレー、明日のパン』
プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
趣味:
読書 映画鑑賞 観劇
かぎ針編み プール
ハマッてます:
車が新しくなりついにiPodがつなげる環境に!すごいぞ技術の進歩!
ブログ内検索
最新コメント
[10/14 菜摘]
[10/12 さつき]
[05/08 菜摘]
[05/08 小琴]
[03/19 菜摘]
アクセス解析

Copyright © DaisyAKM Archives : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]