広告代理店でイベント企画をしている佐久間俊介。プレゼンを酷評された取引先の副社長・葛城を相手に仕掛けた『狂言誘拐=ゲーム』。葛城の娘は果たして敵か味方か。彼女と恋に落ちてしまった俊介の計画の行方は?そして真のゲームの勝者は誰か?連載中の題『青春のデスマスク』を改題して単行本化。
もうすぐ公開予定の映画 『g@me』 の原作。読んだのは映画化の話を聞く以前でしたが、映画の配役も副社長:石橋凌、樹理:仲間由紀恵など東野氏も適役と絶賛したそうで、仕上がりが楽しみです(でも多分ビデオで見る)。
ストーリー展開は東野氏お得意のパターン、最後のドンデンも 『やっぱり』 という内容ですが、設定・テンポ共に最後まで楽しめます。俊介も樹理も葛城もみんな頭がよくて、さすが 『ゲーム』 の参加者、というところ。世の中を第一線で渡っていくにはこうでなければならないのですかねえ。だとしたら私は第一線では活躍したくないものですねえ(土台無理)。
元の題
『青春のデスマスク』 は文中にも出てきますが、それまでデスマスクを被っていた俊介が、ゲームにのめり込むうちにマスクを脱ぎ捨て人間味を増していく、という辺りが読みどころではないでしょうか。でも現題
『ゲームの名は誘拐』 はとてもいいと思います。この題を見て借りようと思ったので、やはり本の題は大切ですね。
東野圭吾の本はどれもリズム感がよく、つい1日2日で読みきってしまうものがほとんどです。満点を出せない理由はそこだけ。満点は『もう一度読み返したくなる本』と目安を定めております。
評価:




(5つ満点)
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