ポーランドに住んでいたユダヤ人少年のジャック。12歳の時ポーランドがナチスドイツに占領される。その数年後わずか15歳の時にジャックは家族と別れ強制収容所に送られた。劣悪な環境の中で厳しい労働を強いられるジャック。生と死が常に隣り合わせでいつ何時死んでもおかしくない環境の中、ジャックはアーロンという仲間から 『ここで起こることはすべてゲームだと思え』 と言われる。ジャックは 『たった一つのミスが死を意味する』 ゲームを行うことにした、『ナチスより長く生きる』 そのために。
(アンドレア・ウォーレン)アメリカの女性ノンフィクション作家。雑誌編集者、新聞記者などを経て若い人たちに向けて歴史をテーマとしたノンフィクション作品の執筆を行う。
自ら意識を 『これはゲームなんだ』 とそらさなければとても生き抜けなかった、ジャック少年の物語。過酷過ぎる強制収容所の生活を生き抜いた彼の気力は、生きて家族と再会することだった。という事実に本当に泣かされる。わずか15歳で家族と引き離され、労働力としてあちこちの強制収容所を転々とさせられたジャック。行く先々での過酷な労働と生活。戦後70年近くが経過しても決して風化することのない恐ろしいホロコーストの記憶とその事実。
素晴らしいことを行うのが人なら、恐ろしいことを行うのもまた人である。という事実は常に忘れてはならない。
評価:(全てのYAと全ての大人達に)