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図書館戦争*有川浩

toshosensou.jpg図書館推参!公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として 『メディア良化法』 が成立・施行された現代。超法規的検閲に対抗するため、立てよ図書館!狩られる本を、明日を守れ!敵は合法国家機関。 相手にとって不足なし。 正義の味方、図書館を駆ける!(メディアワークスHPより抜粋)
(有川浩)1972年高知県生まれ。ライトノベル作家。2003年 『塩の街』 で第10回電撃小説大賞受賞、2004年同作でデビュー。著書に 『空の中』 『海の底』 『図書館戦争』 『図書館内乱』 『図書館危機』 『レインツリーの国』 など。本作で2007年本屋大賞第5位。


図書館学を学ぶ者として一応読もうかと手にとった本書。1章始めからノリがライトノベルバリバリで 『読めない…』 。読むのをやめようかと一旦悩みました。でもテーマは興味深いし、とにかく読んでみようと頑張ってみたら…堂上教官に、ホレました  (笑)。そこまで思わせてくれるライトノベルもなかなかだなと思った一冊です。

著者 有川氏がライトノベル作家であるので、本書もいわゆるライトノベルの形式で書かれていますが、それが功を奏したのかと思います。 『図書館の自由に関する宣言』 は図書館学を学ぶ者であれば誰もが知っていて当然の理念ですが、これを題材として 『ペンは剣よりも強し』 ではなく 『ペンを守るためには剣をとるも致し方なし』 と解釈した著者の発想が奇抜で面白いです。

評価:(5つ満点)

何よりも本書はエンタメ作品として描かれた点が物語として成功したのでしょう、 『言論、出版の自由』 は非常に重いテーマであり、それについて真っ向から描かれると何ページ費やしても足りなくなってしまいますが、これを語るのに 『図書防衛隊』 という組織を考えついたのも、それらが自衛隊顔負けの組織であるのも、更に一般の図書業務部とごく自然に?共存しているのも、何もかもおかしくて仕方がないのです。

主人公である防衛員の郁は軍事訓練の傍ら書庫出納業務も行います、NDCが分からない(覚えていない  )から同僚、上司には迷惑かけ通し、という天然キャラ。そこに鬼教官 堂上、優しく正論で責めてくる上官 小牧、エリートで嫌味な同僚 手塚、そして美人で頭の切れる業務部の柴崎…とメンバーが揃えばコレはまさしくテレビドラマ仕立て?著者もあとがきでテレビドラマ風にしてみた、と書いています(笑)。

しかしこの軽いノリが、言論の弾圧に対し命を懸けて闘う、という有り得ない図書館の現状を描くのに大いに役立っていることは間違いありません。
可笑しさ、コミカルさの中にあるテーマ。
『日野の悪夢』 で図書館長であった稲嶺が叫んだ一言。
『君たちは公序良俗を謳って人を殺すのか!』
言論の自由、表現の自由。それを不当に奪われることは、人として命を奪われることと同様である。とゆーことでしょうか。

『山猿ヒロイン』 郁もシャイな鬼教官 堂上もいいキャラしてます。キャラクターがみんなかなりステレオタイプであるのもまぁライトノベルなので仕方がないでしょう。
ライトノベルを大人が読んでもテーマがきちんと描かれていれば楽しめる、ということを気づかせてくれた貴重な一冊です。ちょっとライトノベルへのハードルが低くなったような気がします。

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