大切な思い出は必ず本と結びついている。『小学生日記』 で鮮烈にデビューした作者が4歳から14歳までに出会った本を手掛かりにその時々の自分を振り返り描写していく、セルフ・ポートレート。15歳の少女の本に対する愛情と思い出が詰まった一冊。
(華恵)1991年アメリカ生まれ。6歳から日本に住む。10歳からファッション誌のモデル、女優として活動。2000年、2001年と全国小・中学校作文コンクール東京都審査・読売新聞社賞を連続受賞、2002年、全国小・中学校作文コンクール文部科学大臣賞を受賞。2003年にこれらをまとめた 『小学生日記』 を刊行。著書に 『本を読むわたし』 『ひとりの時間』 『キモチのかけら』 がある。
ハナエちゃんのブックトーク。一冊の本からここまでの想い出を紡ぎ出せる、その感覚が素晴らしい。

グランマと読んだデュピュティ・ダンの笑えない下手な英語、マドレーヌと同じように腹膜炎の手術をしたこと、日本に来てからの小学校時代。前半は小さい頃なのでアメリカで読んだ英語の絵本、後半は日本の絵本から小説まで、ハナエちゃんの読書力は小さかったハナエちゃんが成長し、周りの世界が広がるのと同じ速度で上がっていく様子が分かります。

ハナエちゃんがキンダーの頃好きだった絵本、
"Goodnight Moon” と
"I like me!” を探してみたらありました。
『おやすみなさい おつきさま』 と
『わたしとなかよし』 という邦訳です。おやすみなさい おつきさま、みたいな部屋で暮らしたい、というハナエちゃん。思い出がどれもこれも鮮やか過ぎる…と思っていたら当のハナエちゃんにとっては小学校はつい2、3年前なのでした。
評価:




(5つ満点)
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