海上保安庁勤務の調理係である西村は南極のドームふじ基地へ観測隊の料理人として赴任する。約1年半、14,000km彼方の日本に残してきた家族を思う日々の中、8人の男たちだけで過ごす究極の単身赴任。知られざる南極での生活や勤務、離れている家族を思う隊員らの気持ち、そして思わず腹の虫がなる料理の数々。限られた生活の中で食事は別格の楽しみ。手間ひまかけて作った料理を食べてみんなの顔がほころぶのを見る瞬間はたまらない。極寒の生活の中の暖かな日々を描く。原作 西村淳 『面白南極料理人』 『面白南極料理人 笑う食卓』 (新潮文庫)。
まず南極という舞台設定がすごい、それだけで☆1ですね。ロケは網走だったそうですがもうスクリーンでは南極にしか見えない、孤立無援の地という雰囲気が十二分に出てました。知られざる南極生活、食料はすべて冷凍品をドームふじ基地着任時に持ち込み、その量の膨大なこと!外に置いた分は完全冷凍、冷蔵庫は凍らせないため(!)に使う環境。お湯の沸点が低いものだからインスタントラーメンの芯が残ってしまう…芯が残らないように茹でるのは熟練の技が必要?
何よりも水が大切、水は 『製水作業の時間』 にみんなで氷を切り出し作っていく…これが大変な重労働、しかも外での作業だし!そんな大事な水を無駄使いしてしまう車両担当スタッフ。彼は研究員ではなくサポートスタッフとして企業から派遣されているため、高い目的意識を持って南極に来ている研究員とは一線を画しているというか、絶対になじめないのだった。などなど閉鎖空間におけるさまざまな人間同士の軋轢を飲み込みながら、やっぱり食事はみんなの楽しみ、という一貫したテーマで送るヒューマンドラマ。
ではありますが、やはり堺雅人は役作りすぎだなぁ…と今回も感じてしまいました。ちょっと大げさなんだよね、いい人ぶりが(ファンの方本当にすみません)。それにしても越冬隊のコックさんが海保の人とは知らなかった、海保の人なのに年に数回あるセレモニーではちゃんとフレンチも作ったりして、すごい料理の腕前です。料理はやっぱりセンスだなぁ、そして美味しい物が食べられる環境はやはり幸せなのだなぁと思うのでした。
(おまけ) 『中国文化研究会』 と称して隊員の皆さんが麻雀をやってました。もはや日本の文化か麻雀、南極の地まで広がる日本文化!(笑)
評価:(その設定に☆1)