中学に進んでまもなくどうしても学校へ足が向かなくなったまいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを西の魔女ことママのママ、大好きなおばあちゃんの家で過ごす。イギリス人のおばあちゃんはまいに魔女の手ほどきすることになった。魔女修行の肝心かなめは何でも自分で決めるということ。喜びも希望も、そして幸せも。その後のまいの物語 『渡りの一日』 併録。
(梨木香歩)1959年生まれ。児童文学者のボーエンに師事。 『西の魔女が死んだ』 で日本児童文学者協会新人賞、『裏庭』 で児童文学ファンタジー大賞を受賞。主な著書に『からくりからくさ』 『エンジェルエンジェルエンジェル』 『村田エフェンディ滞土録』 『春になったら苺を摘みに』 、絵本に 『ペンキや』 『マジョモリ』 『ワニ』 『蟹塚縁起』 など。
再読の重みがある一冊。映画化も大成功だったし。
『まいも、何がまいを幸せにするのか、探していかなければなりませんね。』
この一言に出会えた意味は大きく、深い。
自分が本当に心から幸せだと思える
『こと』 は何か。それを自分自身で知っている人がどんなに幸せか。
またそれを知るために人は生きているのではないだろうか。
『魂は身体をもつことによってしか物事を体験できないし、体験によってしか、魂は成長できないんですよ。(中略)春になったら種から芽が出るように、それが光に向かって伸びていくように、魂は成長したがっているのです』
魂は成長したがっている。だから肉体が必要、肉体がなければ経験ができないから。経験、良いことも悪いこともすべて経験。
MASTER OF LIFEを目指し、日々研鑽、日々精進。
いくつからでも、いつからでも読み返したい一冊。
評価:





(5つ満点)
2004-07-27記事PR