ぼくはお母さんのことがキライ。テレビでマンガを見せてくれないし、すぐ怒るし、日曜日はいつまでも寝ているし、早くしなさいって言うくせに自分はゆっくりおしゃべりばかりしているし。それから、ぼくとは結婚できないって言うし!だからぼくは家を出て行くことに決めた。優しいタッチの酒井駒子の描く、ウサギの親子の物語。どこかのうちにソックリ?
(酒井駒子)1966年兵庫県生まれ。東京芸術大学美術学部卒業。テキスタイルデザインを経て、現在イラストレーター。主な作品に 『よるくま』 『よるくまクリスマスのまえのよる』 『きつねのかみさま』 『こうちゃん』 など。
酒井駒子の絵は素敵。ほんわかした雰囲気の中でも、芯の強さを感じさせる絵です。絵本の挿絵を描くことが多いですが、自分で物語も書いている絵本に 『よるくま』 や本書などがあり、短い文章が多いので、より印象的です。
この絵本も、親子がまずウサギであることがいいです。初めて読んだ時
『日曜日はいつまでも寝ていて起きないし…』 のページで、ぼくは小さな声で 『おなかすいた…』 と言っていて、うぎゃーーうちのことか?と思ったことが忘れられないです(苦笑)。
そんなぼくが、一番お母さんを許せないのは、『
大きくなってもぼくとは結婚できない』 って言うこと。というのが何とも言えず可愛いですね!それで怒って家出してしまいますが、その後のお母さんの表情だけを描いたページがこれまたいい。
お母さんは、そこにいるだけでいい。
そのことを教えてくれる絵本です。図書館で時々借りてましたが、そろそろ自分のために一冊買ってもいいかな、という絵本です。『よるくま』 シリーズもオススメ。
評価:




(5つ満点)
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