鬼はまゆを食べようと住処へ連れ帰り、大鍋にお湯を沸かすのですが、その際手伝いをするというまゆの馬鹿力に驚くばかり。最後にまゆを煮ようとした大鍋に 『お先にどうぞ』 とまゆに入れられ、大やけどをして大騒ぎ。
まゆは鬼を担いで(これまた馬鹿力)やまんば母さんの元へ連れ帰ります。
鬼は 『やれやれ、やまんばの娘だったのか…』 と納得するやら感心するやら。そしてやけどの薬を塗ってもらい、母さんの作った大根汁とおにぎりをごちそうになるのですが…
この 大根汁とゴマや山菜の入ったおにぎり の美味しそうなこと!
絵本には多くの食べ物やお菓子が出てきますが、これまでこの 『まゆとおに』 出てきた大根汁とおにぎりほど、私が 『食べたい!』 と思ったものはありません。割と絵本は読んでいる方だと思いますがこの最後のページには釘付け!ああ食べに行きたい…。
おにぎりをほおばるまゆ達の横でのんびり煙管をふかすやまんば母さんもカッコイイです。
■ まゆとブカブカブー(こどものとも549号/2001年12月)
山に雨が降った日、まゆは外へ遊びにでかけます。母さんの言いつけ通り、水たまりを見つけたら思いっきり泥をはね返して泥だらけになって遊ぶまゆ。しばらくすると森の中でイタチやウサギ、カラスに会いますが、みんな 『オバケのブカブカブーが出たあ!』 と逃げていきます。勇敢なまゆはブカブカブーの正体を確かめようと森の奥へ向かいますが…。
思いっきり泥はねしておいで、というやまんば母さんがいいですね。果たしてみんなが恐れるブカブカブーの正体は…?
■まゆとりゅう(こどものとも576号/2004年3月)
まだ山に雪の残る春の朝。遠くの山に 『春のりゅう』 雪解けの跡が出てきます。母さんはこれから一仕事あると言います。するとりゅうとりゅうの小さな子どもが現れました。りゅうは母さんの作ったヤマモモのお酒を飲み干すと、母さんを乗せて空へ登りました。ビックリしているまゆは気が付くと竜の子どもの背に乗せられて、同じく空へ登ります。りゅう達はグルグルと回り雲を蹴散らしました、すると春の日差しが現れて…。春を迎える儀式を共に行う竜とやまんばの話。
春を迎える儀式を行うやまんばと竜。いいですね。まゆとやまんば母さんの冬の服装もいいです。やまんばには春夏秋冬仕事がたくさんありそうですね。