311震災後の日本を復興に導くカリスマ総理 宮藤。原発推進を軸に日本復興を果たすと宣言した若い首相は国民の支持を集める。次第に独裁化する宮藤、新聞社はスクープ記事で彼の独裁に歯止めをかけようとするが。首相のシンクタンクを務める調査官 白石とスクープを追う新聞記者 神林の2人の視点で交互に展開する。『別冊文藝春秋』 連載を東日本大震災の発生を踏まえ大幅に加筆修正し単行本化。
(真山仁)1962年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒。新聞記者、フリーライターを経て作家。主な著書に 『ハゲタカ』 『マグマ』 『ベイジン』 。
久々に骨太小説、真山仁これからどんどん読まなきゃ。と思いました。満足です。政事物はやっぱり頭使いますね…というか私も政治的無関心ということですねこれは。
この小説の何が面白いかと言えば、キャラが皆立っているところですね。各キャラクター描写が実に明確なのですごく分かりやすいです。総理側近である白石の強さと弱さ、同じく権力に立ち向かうペンを持つ者の代表である新聞記者という立場にある神林の強さと弱さ。全く立場も考え方も違う2人が社会を真剣に思う気持ちは同じだということ。そして総理の側近中の側近である主席秘書官 田坂。彼という存在の設定の見事さには本当に舌を巻く、です。
宮藤や野添という人物のモデルを思い浮かべると(実在の政治家です)本当に政治って怖いなと思います。すべての大人、社会人が政治に無関心、を捨てなくては社会は良くなりません。政治的無関心からの脱却は、可能でしょうか。
評価:





(高校生から政治的無関心の大人までオススメです)
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