古代ローマで浴場を専門とする設計技師ルシウス・モデストゥスは、伝統的な浴場《テルマエ》を維持すべきとの考えから、世間から孤立し失業状態となる。友人マルクスに誘われテルマエに行ったルシウスは、浴槽に潜ったことでなぜか時代を超えて現代日本の公衆浴場へとたどり着く。そこではローマ人ではない 『平たい顔』 の民族が素晴らしい浴場でくつろいでいた。日本の銭湯の素晴らしさに感動したルシウスは、その工夫を古代ローマに持ち帰り一躍人気設計技師となる。評判を聞きつけてついに皇帝お抱えのテルマエ技師となったルシウスは、孤独に苦しむ皇帝の心を慰めるためテルマエ設計に奔走する。コミックビーム(エンターブレイン)連載中。(ヤマザキマリ)1967年東京都生まれ。漫画家。イタリアを経て現在はアメリカ シカゴ在住。本作で漫画大賞2010、手塚治虫文化賞短編賞を受賞。
映画化で話題の本作、貸本屋(レンタルビデオ屋のこと)で借りました。正直画もあんまり上手じゃないし果たしてそんなに面白いのか…と思っていたら、3巻くらいから俄然面白くなってきて、ところどころ爆笑しました。
ひたすらにマジメに温泉道を貫くルシウスが、いいですね。テルマエを愛しテルマエを愛するローマ人を愛し、そして彼らを統べる皇帝を愛するルシウス。偉大故に孤独である皇帝の魂を慰めるため、ルシウスはひたすら温泉道、じゃなくてテルマエ建設に精進するのでした。
ところどころに挟まれている著者ヤマザキ氏の古代ローマに関するコラムが結構濃くて、しかもこういう活字を読み飛ばせない性分なもので、という意味で読了に若干時間がかかります(笑)。映画はほぼ原作通りでよくできてるなーというかよくこんな映画作ったなーと改めて感心してしまいました。
ジミーに面白いマンガです。続刊も楽しみです。
評価:




(5つ満点)
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