杉浦弥代子はかつてアイドルを夢見ていた32歳のOL。ある日渋谷の路上で高校生に間違われアイドルグループ原宿ガールズにスカウトされる。夢が再燃した弥代子は年齢を誤魔化してオーディションを受けるが。暴走する弥代子はアイドルになれるのか。ダ・ヴィンチ連載を単行本化。
(橋口いくよ)1974年鹿児島県生まれ。19歳のアイドルデビューを経て作家に。十代に間違われA*B48のスカウトに声をかけられたことも。主な著書に 『蜜蜂のささやき』 『アロハ萌え』 『だれが産むか』 など。
ダ・ヴィンチ連載時より結構夢中になって読んでました、32歳OLがAK*48、じゃなくてアイドルになったら?という作者の実体験(!)に基づく発想が面白いです。
これが秀作の理由は、弥代子の本気振りにあります。優しい恋人 一郎も、大人の友人達もOLの仕事までも捨てて、弥代子はステージの上にいる 『キラキラした自分』 を選ぶのです。いつ歳がバレるか?とヒヤヒヤしながらも弥代子はセンター(※グループ内の立ち位置のこと)目指して努力を重ねるが、このままではセンターの地位を勝ち取れないことに気付いた彼女がついに出た思い切った行動は…!のラストには衝撃。
アイドルになる条件は、自分がアイドルなのだと思い込むこと(信念)なのかもしれないですね。実にTVドラマ向きの内容です、ドラマ化されたら面白いだろうなぁ。
評価:(5つ満点)