地球、そして地球とは別の進化を成し遂げた星の過去と未来に秘められた謎。新たな文明へと踏み出すために動き始めた子ども達。果たして人類の行く末は生か死か?絡み合うパラレルワールドが紡ぎ出す壮大な物語を斬新なスタイルで描く。書き下ろし。
(太田光)1965年埼玉県生まれ。日本大学芸術学部中退。お笑いタレント、漫才師、エッセイスト。田中裕二と 『爆笑問題』 結成。著書に 『パラレルな世紀への跳躍』 『マボロシの鳥』 他多数。
小さな短編の組合せで綴られてます。そのうち
『大いなる計画』 がベストですね。今回も実験的な小説で細切れにストーリーを織り交ぜてあり、結構読みにくいです。しかしオリジナルの世界観を持ちそれを表現しようとする太田さんの姿勢が好きなので、今回も良かったです。
この
『大いなる計画』 のようなSF物をもっと書いて欲しいですね。小松左京か星新一か、と思いました。物語は赤ちゃんポストが設置され多くの子どもが預けられるようになって数十年。体外受精の技術も進み、人口減少が大きな問題だったわが国で、突然その問題が解消し始める、という設定。つまり、人口が増えてきたのだ。なぜか…それはこの大いなる計画の結果だったのだ。という物語。すべての社会現象は、その抱える問題に原因がある。ということに鋭く切り込んだ一篇。この部分だけもっと膨らませて書いて欲しいですね。
次回作も楽しみです。
評価:




(5つ満点)
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