忍者ブログ

DaisyAKM Archives

読書と映画と観劇と

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

星の王子さま*S.テグジュペリ/池澤夏樹 訳

img20060728.jpg砂漠に不時着した飛行士である 『ぼく』 の前に不思議な男の子が現れ、ヒツジの絵を描いて欲しいと言う。男の子は小さな星の王子さまで、星に咲いた一輪のバラの花とのいさかいから星を去り、いくつもの星を旅した後地球に降り立ったのだ。かつて内藤濯により訳された世界中で愛読される不朽の名作を池澤夏樹が新訳。
(サン・テグジュペリ)1900〜44年。フランス、リヨン生まれ。郵便飛行士、新聞の派員などの仕事に就く。著書に 『夜間飛行』 『人間の大地』など。
(池沢夏樹)1945年北海道帯広市生まれ。都立富士高校卒業、埼玉大学中退。詩人、翻訳家、小説家。翻訳はギリシア現代詩からアメリカ現代小説など幅広く手がけている。『スティル・ライフ』 で中央公論新人賞、第98回芥川賞、『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、『花を運ぶ妹』 で毎日出版文化賞を受賞。

実は、読んだ後しばらくこの記事をUPする前に何度も何度も考えました。でもやっぱり結論は 『よく分からない』 でした。

私はこの本を2冊持っています。岩波書店版のハードカバーで内藤濯(ないとう あろう)訳です。なぜ2冊かというと小学生の頃母からクリスマスに贈られたものが1冊、大学生の頃友人から誕生日プレゼントにもらったのが1冊です。もしかしたら1冊は誰かにあげたかもしれないと思って探したところ、やはりプレゼントだったからかあげにくかったようで2冊とも見つかりました。本棚で今は並んでいます。

小学生の時。ちっとも面白くないな、と思いました。しかしそれを母に言うのは憚られ黙っていました。
大学生の時。その小学生の時の苦い思い出が蘇り、友人には 『ありがとう』 と言ったきり本を開いてもいませんでした。友よゴメン。

ということでなぜ今その本を読もうとしたか。
新訳が出た、ということも大きいですが、もしかしたら今読んでこそ分かる部分があるかもしれない、という期待が大きかったためです。しかも 『キップをなくして』 でいい感じだった池沢夏樹が訳を手がけているということで手に取った次第です。

評価:(また10年経ったら読もう)

しかし…やっぱり何とも言えない。
ただ王子さまは、子どもでありながら純粋な子どもではなかった。それが不幸の始まりだったのではないでしょうか。
もっと言えば王子さまは姿かたちは子どもだけれども、本当は大人なのかもしれない。なぜかと言えば、最初から自分の星にたった1人で住んでいて、1人で何もかもをしていたから。

王子さまはたった1人で小さな星を管理していたけど、ある時やってきたバラの花と諍いを起こして星を出ることになった、とあります。でも考えてみたら出て行く必要があったのか?後から来たバラを引っこ抜いちゃえば良かったのでは?でもそれをせず彼は自分が出て行った。

間違いなくこれは男女関係を暗示しています。
王子さま(彼)はバラ(彼女)を理解しようとした。彼女のワガママにも付き合い、話相手になってやり、愛そうと努力した。
でもある日、それに疲れてしまった。

そして彼は出て行くのです。自分が出て行ってはバラは枯れてしまうかもしれない。バラもそれを知っている。でもバラは決して王子さまに 『行かないで』 とは言わない。バラはあくまでも気高いのです。

地球へたどり着くまでに王子さまは様々な星を巡り、様々な人々に会います。どの人達も王子さまには理解不可能な言動で、理解不可能な信念を持っていますが、それが他者なのだと思う王子さま。かなり、考え方が大人です。というかやっぱり大人では?

地球へ着き初めて友達ができます。キツネです。
2人は友達になりますが、それもお互いの努力の結果?更には友達になったというのに2人は王子さまが旅立つことで別れも経験します。
人はやっぱり孤独。ということなのかもしれません。

そして王子さまは星へ帰って行く。帰る星がある王子さまは、幸せな人なのかもしれません。

やっぱり、難しいや(苦笑)。

PR

Comment

お名前
タイトル
文字色
コメント
パスワード
カウンター
ツイッター始めました
今週の私
急にアクセス数が増えていて、自分でもビビリ…(笑)。10/10でブログ開設10周年!日付が追いつくよう頑張ります。
只今読破中
木皿泉 『昨夜のカレー、明日のパン』
プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
趣味:
読書 映画鑑賞 観劇
かぎ針編み プール
ハマッてます:
車が新しくなりついにiPodがつなげる環境に!すごいぞ技術の進歩!
ブログ内検索
最新コメント
[10/14 菜摘]
[10/12 さつき]
[05/08 菜摘]
[05/08 小琴]
[03/19 菜摘]
アクセス解析

Copyright © DaisyAKM Archives : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]