
砂漠に不時着した飛行士である 『ぼく』 の前に不思議な男の子が現れ、ヒツジの絵を描いて欲しいと言う。男の子は小さな星の王子さまで、星に咲いた一輪のバラの花とのいさかいから星を去り、いくつもの星を旅した後地球に降り立ったのだ。かつて内藤濯により訳された世界中で愛読される不朽の名作を池澤夏樹が新訳。 


(また10年経ったら読もう)しかし…やっぱり何とも言えない。
ただ王子さまは、子どもでありながら純粋な子どもではなかった。それが不幸の始まりだったのではないでしょうか。
もっと言えば王子さまは姿かたちは子どもだけれども、本当は大人なのかもしれない。なぜかと言えば、最初から自分の星にたった1人で住んでいて、1人で何もかもをしていたから。
王子さまはたった1人で小さな星を管理していたけど、ある時やってきたバラの花と諍いを起こして星を出ることになった、とあります。でも考えてみたら出て行く必要があったのか?後から来たバラを引っこ抜いちゃえば良かったのでは?でもそれをせず彼は自分が出て行った。
間違いなくこれは男女関係を暗示しています。
王子さま(彼)はバラ(彼女)を理解しようとした。彼女のワガママにも付き合い、話相手になってやり、愛そうと努力した。
でもある日、それに疲れてしまった。
そして彼は出て行くのです。自分が出て行ってはバラは枯れてしまうかもしれない。バラもそれを知っている。でもバラは決して王子さまに 『行かないで』 とは言わない。バラはあくまでも気高いのです。
地球へたどり着くまでに王子さまは様々な星を巡り、様々な人々に会います。どの人達も王子さまには理解不可能な言動で、理解不可能な信念を持っていますが、それが他者なのだと思う王子さま。かなり、考え方が大人です。というかやっぱり大人では?
地球へ着き初めて友達ができます。キツネです。
2人は友達になりますが、それもお互いの努力の結果?更には友達になったというのに2人は王子さまが旅立つことで別れも経験します。
人はやっぱり孤独。ということなのかもしれません。
そして王子さまは星へ帰って行く。帰る星がある王子さまは、幸せな人なのかもしれません。
やっぱり、難しいや(苦笑)。