恋人と別れるつもりで出掛けた海辺の旅館で起こった奇跡を描いた表題作。昭和を舞台にアパートの隣の部屋に住む駄目ヤクザを描いた 『風蕭蕭』 。11の短編を収録。
(浅田次郎)1951年東京都生まれ。日本ペンクラブ理事、日本文芸家協会理事。『地下鉄に乗って』 で吉川英治文学新人賞、『鉄道員』 で直木賞、『壬生義士伝』 で柴田錬三郎賞、『お腹召しませ』 で中央公論文芸賞、『中原の虹』 で吉川英治文学賞を受賞。主な著書に 『蒼穹の昴』 『中原の虹』 など。
(収録作品)情夜/告白/適当なアルバイト/風蕭蕭/忘れじの宿/黒い森/回転扉/同じ棲/あなたに会いたい/月下の恋人/冬の旅
ちらっとお話ししましたが私、この春から読書会なるものに入会しました。読書会とは→読書好きが集まって、毎月決められた課題本(テーマ本)を読み、例会時にその感想を発表しあう。という本さえあればお金もかからず本の楽しさを仲間と共有できる、楽しい会。なはずなのですが…。
読書会のことは追々。で6月のテーマ本がこちら。浅田次郎か…自分なら絶対に手に取らないだろうなこういう本。という本との出会いも大切だ、と例会に向けて読んだのですが。
つまらんです。なんというか、ジェネレーションギャップですかこれは。作者の意図が私にはぜーんぜん伝わらないのです…。ともかく感想行きます。
11もの短編集でありながら全体的にイマイチ。謎かけが非常に多く、しかも解答がないまま終わるのでその後想像しようにもしようがなく、フラストレーションが溜まります。謎かけもいいのですがせめてもう少し結論に至るヒントを書き記して欲しいものです。
評価:



(5つ満点)
情夜
これはまぁまぁ良かったけど一番の謎は 『情夜』 というタイトル。なぜ?現金書留の差出人は大家だと思っていますが…と例会で発言したら、ええっと言われてしまいました。ええっじゃあ誰なの?
適当なアルバイト
ちょっと怖くていい感じ。『俺は悪くない。山田さんも悪くない。』 のセリフが効いてます、怖いです。
忘れじの宿
これが一番良かったです。人は忘れていたつもりでも身体が憶えていること、が案外多いものだ。忘れたくても忘れられないこと、を忘れさせてくれるところがあれば、私も行ってみたいです。 『恨みつらみも、その愛する心があればこそや。』 という一言が、沁みます。
黒い森
これが一番分からなかった。この終わり方は、ヒドイ。全然分からず…何かヒントがあっただろうか?例会でもケンケンガクガク、賛否両論。
同じ棲
これもよくあるすれ違いの話だけど、2人が2人とも幻覚というか未来を見たというのがどうにも納得できない。ラストも中途半端。
あなたに会いたい
これもホラー、すごい怖い。こんなナビあったらもう恐ろしくて使えない、私の車にナビがなくて本当に良かった。これでは旧知に会って懐かしいというより、ただ怖いだけ。
全体的にすっごく厳しい言い方をすれば、作者の独りよがりが多いというか。面白いのは作者だけ、にならないようご注意。
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