舞台芸人の一瞬の輝きを1羽の鳥に託した表題作。父との不和に悩む娘、イジメにあう男子生徒の葛藤、人類の行く末、そして神の意志まで。芸人 太田光が持てる芸のすべてを注いで描き尽くした初めての小説集。
(太田光)1965年埼玉県生まれ。日本大学芸術学部中退。お笑いタレント、漫才師、エッセイスト。田中裕二と 『爆笑問題』 結成。著書に 『パラレルな世紀への跳躍』 他多数。
(収録作品)荊の姫/タイムカプセル/人類諸君!/ネズミ/魔女/マボロシの鳥/冬の人形/奇跡の雪/地球発…
『パラレルな世紀への跳躍』 が、ものすごーく良かったのですよ!太田さん天才か、とまで思った私。初の小説ということですごい期待していました。その期待がやや大きすぎたけど、テーマは
『みんな、誰かとつながっている。』 という非常に明確で分かりやすいものだとすぐに伝わったので、それはいいかな。
私は
『荊の姫』 のようなオーソドックスなスタイルのものが好きですね。
『マボロシの鳥』 はちょっと長すぎるかも。この本にインスパイヤ、じゃなくて触発されて、影絵作家の藤城清治氏が作った作品が、
絵本 『マボロシの鳥』 。3000円もする高級絵本ですが、ちらっと見た限りやっぱりいい!欲しーい!ですがなかなか手が出ないですね。
太田さんも雑誌ダ・ヴィンチ誌上で
『自分が思っていたほどこの本売れなくて不満だったけど(どこまで本気?笑)、
藤城さんが絵本にしたいと言ってくださってそれが実現できたこと、それがこの小説への何よりの評価と受け止めている』 というようなこと言ってました。

自分の本を絶賛してくれ、それに作品(影絵)を付けたいと言ってくれた人がいる。しかもその人が影絵第一人者の藤城さんですし。この絵本の原画展も全国巡回であるのですが、どこかで見られたらなぁ。
図書館に入ったらゆっくりじっくり見せてもらうことにします。
小説の次回作にも期待。
絵本 マボロシの鳥(藤城清治 影絵/太田光 原作・文)
評価:




(5つ満点)
パラレルな世紀への跳躍*太田光 2011/02/01
PR