東京の文教地区の町で出会った5人の母親。年齢も環境も違う彼女らは育児を通じて次第にに心を許しあうが、子どもの進学先を巡りいつしかその関係性は変容していく。母親たちの深い孤独と痛みをあぶりだした母子小説。
(角田光代)1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。『幸福な遊戯』 で海燕新人文学賞、『まどろむ夜のUFO』 で野間文芸新人賞、『ぼくはきみのおにいさん』 で坪田譲治文学賞、『キッドナップ・ツアー』 で産経児童出版文化賞フジテレビ賞、路傍の石文学賞、『空中庭園』 で婦人公論文芸賞、『対岸の彼女』 で直木賞、『八日目の蟬』 で中央公論文芸賞を受賞。
文京区音羽のお受験殺人事件がモチーフ。あれもかなり異常な事件だった。何年経ったのだろう?角田氏が設定した個性溢れる主婦達はそれぞれに面白いが、こんな個性ならいらんわ。と思ってしまう人達ばかりだった(苦笑)。あまりにも考え方が自己中心的過ぎる。現代人は皆そうだと言いたいのかもしれないが、決してそうじゃないと私は思っている。
彼女らは1人として本当の友達を持ってない、それは本当の友として付き合おうとしないからだ。子育てする前に社会性を学びたまえ!と声を大にして言いたい(私に言われたかないだろうが…)。というか、20、30歳を過ぎて子育てもする年齢になって、未だ社会性のなさ過ぎる人が多すぎる、ということを描きたかったのだろうか?
それにしてもこの物語はここまで来たらもう狂気ですね、子育てに狂気を持ち込まないで欲しいわ。ラストも救いがなく、角田さんこれはキツイなーと思ってしまいました。
評価:(5つ満点)