若者たちで賑わう東京台場で1人の外国人が倒れる。病名不明のまま間もなく死亡する男。これは細菌テロの序章なのか。公安、内閣調査室が動き出す。所轄署としての責務を負わされたベイエリア分署安積班のテロとの攻防を描く。シリーズ長篇書き下ろし。
(今野敏)1955年北海道生まれ。上智大学卒業。『怪物が街にやってくる』 で問題小説新人賞を受賞しデビュー。『隠蔽捜査』 で吉川英治文学新人賞、『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。TBSドラマ 『ハンチョウ~神南署安積班~』 の原作シリーズなど著書多数。
安積班長を初めて読みました。交機の速水とのやりとりと言い、ちょっとハンチョウってスマート過ぎかな。もっと人間味が欲しいけど。所轄内で細菌テロが起こる…という展開なのですが、公安、内調と入り交じり、その中でハンチョウチームが色々と苦難を強いられる様子を描いてます。どこへ行ってもハムの人達は嫌われ者ねぇ。ラストの大ドンデンもなかなかにやりますな。このひっくり返し方が今野流です。
半夏生というタイトルとそれにまつわる登場人物のセリフが、季節を感じさせて非常にさわやかでいいです。
評価:(5つ満点)