好きって絶望だよね。子どもはみんな兵士で、この世は生き残りゲーム。なぎさのクラスに有名人の娘である藻屑が転入してきた。自己紹介で自らを人魚と名乗った藻屑は何かとなぎさにつきまとう。邪険にしていたなぎさだったが藻屑が父との関係に問題を抱えていることが徐々にわかってくる。砂糖菓子の弾丸で世界と戦おうとした13歳の少女達の戦場を描く。
(桜庭一樹)1971年島根県生まれ。小説家、ライトノベル作家。フリーライターとして活動後コンピュータゲームシナリオ、ゲームノベライズ等を手がける。 『赤朽葉家の伝説』 で日本推理作家協会賞受賞、本作で第138回直木賞受賞。主な著書に 『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』 『赤×ピンク』 『青年のための読書クラブ』 など。
読書会4月テーマ本。本作はライトノベルで初出だそうです。YA向けにしては内容がシュールすぎます、桜庭さん。海野藻屑とその父でかつてスター歌手(?)であった海野のキャラクターがいいですね。ラスト、なぎさと藻屑の担任教師が叫んだ
『生き抜けば、大人になれたのに…』 というひと言が、大人の私にはズシンと来ました。
ええっと、装丁がいいですね。角川文庫の装丁はセンスいいです。
評価:



(5つ満点)
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