奇譚、それは不思議な、妖しい、ありそうにない話。しかしどこかあなたの近くで起こっているかもしれない物語。『新潮』 掲載に書き下し1編を加えて単行本化。
(村上春樹)1949年京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ジャズ喫茶の経営を経て作家へ。『風の歌を聴け』 で群像新人文学賞、『羊をめぐる冒険』で野間文芸新人賞、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』で谷崎潤一郎賞、『ねじまき鳥クロニクル』で読売文学賞、『約束された場所で―underground 2』で桑原武夫学芸賞を受賞。また朝日賞、早稲田大学坪内逍遥大賞、フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、世界幻想文学大賞、エルサレム賞などの海外の文学賞を受賞。翻訳多数。
(収録作品)偶然の旅人/ハナレイ・ベイ/どこであれそれが見つかりそうな場所で/日々移動する腎臓のかたちをした石/品川猿
読書会3月テーマ本。私にとってハードルの高い村上春樹ですが、新幹線の中だとよく読めました。品川猿、がよかったです。あとは奇譚集というより異譚集というイメージでした。
村上春樹の小説の登場人物はみんな、すごく自立している人が多いです。人に頼らず自分の足で世界のどこまでも歩いていく。迷わない。強い。その人物像に読者はみんな自分を重ねるのか、それとも憧れるのか、どちらなんでしょう。
評価:(5つ満点)