衝撃的な失恋を経験し声が出なくなった倫子。決して好きではない母が1人暮らす故郷へ戻り、実家の離れで料理の腕を活かした食堂を始めることにした。お客は1日1組、希望通りの食事を提供する。 『恋が叶う』 と評判になった倫子の食堂は評判を呼ぶが…。将来を考えた恋人との突然の別れ、狭い共同体で生きることの難しさ、うっとうしいが離れがたい母親への想い。そして訪れる悲劇。一つ一つ乗り越えてゆく倫子の成長を食堂の四季と共に描く。
(小川糸)1973年生まれ。作詞家 春嵐として音楽制作チームFairlifeに参加。絵本作品に 『ちょうちょ』 。 本作で小説家としてデビュー。
倫子が失恋し故郷へ戻り、食堂かたつむりをオープンさせそこが評判になる、という辺りまでは展開としてスムーズだが、おかんの描き方がやや中途半端かな。いまいちおかんの人物像がつかめない。おかんとネオコンの関係もイマイチ分からない。後半への展開もやや急すぎるような印象。さらに…倫子のインド人の恋人の件はもう…どうでもいいわけ?いいんだろうなぁ。
食堂を訪れるいろいろなお客さんの様子はとてもよく分かる、いろいろな客が来ていろいろな料理を提供する。読んでいて非常に楽しい。預かることになったウサギやおかんのペットのブタのエルメスへの倫子の愛情のかけ方もとても良い。
評価:



(5つ満点)
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