私が一番物語が乗ってるな、と思った箇所は 『ともだち』 の友民党(ゆうみんとう、ユーミンから命名か?)が政権を握り、青少年保護育成のために悪書と言われるマンガを描いた漫画家らが政治犯用の刑務所に次々と収容され、その刑務所は陸との陸橋を分断されてしまったあの 『海ほたる』 という設定の箇所。政治犯、極悪犯収容専用の 『海ほたる刑務所』 うーんシュール。
マンガを描くことが政治的に罪にあたる、ということをマンガで描く浦沢氏。投獄されたマンガ家 角田は、世紀末の混乱を救った救世主と呼ばれる人物が実は世紀末の事件全ての首謀者だった、というマンガを描いて逮捕されるのですが、それは実は図らずも現実を描いちゃったからですね。
そこで角田が出会うのが、かつて 『テロ集団』 と言われていた 『ケンヂ一派』 の随一の格闘家、オッチョ。オッチョは13年も投獄されながら、密かに脱獄計画を練っていた。この辺の鬼気迫る攻防がスゴイ!
だけど…だんだん物語が複雑になって来て、死んだはずのあの人もこの人も実は生きていて…という展開になってきて、何だか最後にどう辻褄を合わせるのか?ちょっと不安ですね…。
そもそもカンナの存在意義は何?初代 『ともだち』 がケンヂの姉キリコに接近した本当の理由は?そして 『ともだち』 信奉派の人々、特に高須の真の目的は何?
とまぁ、実に複雑になりすぎて、私に貸してくれた職場の方も 『ちょっと引きずり過ぎだな』 全くそう思います。連載は終わったそうですが、なぜその続編である 『特別編』 を更に発表する必要があるのかな?それを読まないと結局意味が分からないのかな?
などと思いつつも、やっぱりここまで読んだら最後まで読まなきゃ。です。