『8年後に小惑星が落ちてきて地球は滅亡する』 との発表から5年。社会は秩序が崩壊し混乱し尽くした後、沈静化を保っていた。仙台市北部のとある団地に住む人々の日々の暮らしを追う。人類全体が残り3年という寿命の中で、人々はどのような選択をしいかに生きるのか。表題作の他全8編を納めた連作短編集。
(伊坂幸太郎)1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。 『オーデュボンの祈り』 で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。『アヒルと鴨のコインロッカー』 で吉川英治文学新人賞、『死神の精度』 で日本推理作家協会賞短編部門を受賞。著書に 『ラッシュライフ』 『チルドレン』 『魔王』 など。
(収録作品)終末のフール/太陽のシール/篭城のビール/冬眠のガール/鋼鉄のウール/天体のヨール/演劇のオール/深海のポール
『地球滅亡』 という1つのテーマを軸に描かれた短編連作集。舞台を全て仙台郊外のとある団地とその周辺に絞って描いたことで、登場人物達が少しずつ交流をしている様子が分かるのは面白い仕掛けだが、1つ1つの短編を見てみるとイマイチ深みが足りない気がする。もう少し突っ込んで書いてみたらもうちょっと面白いのに?なんて思ってしまう。
『演劇のオール』 と
『深海のポール』 の内容は良かった。しかしこの前読んだ 『重力ピエロ』 でも思ったけど、どうして伊坂幸太郎の小説の題って何かズレてる?と感じるのは私だけ?でも題がズレてると何となく落ち着かない。
『深海…』 私なら迷わず 『櫓(やぐら)』 という題にするけど。
『終末のフール』 って題が気に入ったからってムリして韻を踏まなくてもいいのに…。
『天体のヨール』 なんて強引過ぎるでしょ!
さてどの短編もあまり世紀末感、終末感を感じさせず、サラッと流れすぎ。登場人物達はせっかくここまで必死に生き残ったのなら、その必死な部分も描いて欲しかった。
けれど実際に政府から 『終末宣言』 が出されたらこんな感じなのかも。
最後まで草サッカーを続けている団地の人達が良かったかな。
評価:



(5つ満点)
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