キートンはオックスフォード大出身かつ英軍特殊部隊(しかもSAS)出身、サバイバル技術のプロ。オックスフォード時代学生結婚して離婚した日本人の妻との間に愛娘がおり、動物学者の日本人の父と富豪のイギリス人の母を持つ、という設定。この夢物語のような設定が原作 勝鹿北星氏の綿密なストーリーと浦沢直樹氏の魅力あふれる劇画で綴られています。
80~90年代の時事に沿ったストーリー内容に加え、浦沢氏の描く魅力的な登場人物、そして舞台となる諸外国の風景が、本当に活き活きと描かれているのです。
よく覚えているのがロンドンが舞台の回。曇った空から光が射しロンドンの街のレンガ壁を明るく照らすシーンでは、暗く冷たい印象の街が見る見るうちに輝きと温かみを増す、漫画でここまで表現できるのか、と感動すら覚えたものです。
保険に絡む多くの殺人等の事件に加え湾岸戦争、そして考古学という学問の世界のしがらみまでを描き、ついにキートンは自分の理想の世界、考古学の世界で生きる、というところで完結するのですが、こんなに毎回楽しみにして読んだ作品はありません。高校から大学にかけての連載でしたが今読んでもその魅力に変わりはないでしょう。全ての人にオススメしたい作品です。
キートン先生
最高傑作!