大手都市銀行の行員3名がさらわれた。身代金の要求額は10億円。警視庁捜査一課の若手 上野数馬は覆面捜査専門のバイクチームTOKAGEの一員として初めての誘拐事件に挑む。銀行の取引を知り尽くしている犯人に翻弄される捜査本部だが…。『小説トリッパー』 連載を単行本化。
(今野敏)1955年北海道生まれ。上智大学卒業。『怪物が街にやってくる』 で問題小説新人賞を受賞しデビュー。『隠蔽捜査』 で吉川英治文学新人賞、『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。TBSドラマ 『ハンチョウ~神南署安積班~』 の原作シリーズなど著書多数。
心理戦に長けた特殊班の面々、その活躍を若手上野の目を通じて描くことでイヤミがありませんね。トリックについても読者に徐々に情報を与えてくれるため、この頃多い大ドンデン→そんなのアリかよ!的展開と比べてとても好感が持てます。作者だけが分かっているトリックはハッキリ言って裏切りにあった感じしかしないし。
しっかし女性捜査員はスタイル良くて美人ばかりですねーこれは今野先生だけじゃなくて大沢在昌先生の作品でも全く同じ。どうも男性作家というヤツは…(笑)。この作品は行員3人が一度に誘拐される、という大がかりな事件だということも最初示されている大きな伏線。テンポ良く楽しめます。
評価:(5つ満点)