ユダヤ人の少女サラはパリ一斉検挙の朝、弟を納戸に隠して鍵をかけた。すぐに戻れると信じて。60年後、アメリカ人ジャーナリストのジュリアはフランス人の夫と自分が暮らすパリのパートに、かつてサラの家族が住んでいたことを知る。サラの足跡をたどる中、次々と明かされる秘密が彼女を揺さぶり、彼女の人生さえも大きく変えていく。ナチス・ドイツの占領下にあったヴィシー政権時代のフランスで起きたヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件を題材に描く。フランス。
『黄色い星の子供たち』 と同じくヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件です。同じテーマの映画が続きますね。この歴史上の事件と現代のパリに暮らすアメリカ人ジャーナリストの生活をリンクさせたところが見事です。単に過去の歴史上の事件として片付けない姿勢。ジャーナリズムとは?生命の重みとは?思いがけない妊娠で揺れるジュリアの心情をうまく重ね合わせていると思います。
それ以上に、現代に生きる私達にもっと歴史を知るべきだ、と訴えてくる作品と言えると思います。今も私達が知らないだけで、世界では苦しんでいる人々がいるのだという事実。このことを知るべきだ、というメッセージだと感じました。平和に暮らしていた家族に訪れた突然の悲劇。そのことを、ジュリアのように感じることができるでしょうか。
評価:




(5つ満点)
黄色い星の子供たち 2012/1/19
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