クイズミリオネアでスラム街出身の無学の青年が全問正解を成し遂げる。なぜスラム育ちの彼がクイズの答えを知っていたのか?詐欺を疑うテレビ局から通報を受けて警察へ連れて行かれ厳しい拷問を受けるジャマール。しかし彼にはクイズに正解を出さざるを得ない壮絶な過去があったのだ。青年ジャマールの生い立ちからそこに至るまでの道のりをクイズミリオネアの設問1問ごとに追っていく。2009年アカデミー賞8部門受賞作。
構成、脚本の見事さにはひたすら拍手

。非常に巧い構成の作品。冒頭からジャマールは警察で拷問を受けている、クイズで全問正解しただけなのに!電気ショックにもかけられ人権無視のインド警察に最初からショックを受ける。
物語はクイズ一問ごとに進む、果てしなく続くスラム、貧困、暴力。美しい青い空とその下に広がるスラムの対比が痛々しい。イスラム教徒への暴力から逃げたサリームとジャマールの兄弟が飛び乗った長距離列車の中でたくましく商売をしてお金を稼ぐ様子や、列車を降りた先にあったタージ・マハルで生きるためにやったインチキガイド、ホームレスの子ども達を食い物にするチンピラ達との攻防、どの社会ででもジャマールはひたすら生き抜いてきた。決してあきらめないその生命力はどこから来るのだろう?そして徐一問ごとに明らかになっていく、ジャマールの生き様とクイズの問題に正答できた理由、この構成がひたすら巧すぎる!!
それにしてもクイズミリオネアの音楽もセットもライフラインも、みんな同じなんだねー。ラストのライフラインの箇所は設定が巧すぎだけど、それもアリだなと思わせてくれるラストシーン、いいと思います。インドが舞台ということはあまり意識しなかったけどエンドロールで出演者みんながいきなり踊り始めました、ここはやっぱりインド映画だった(笑)。映画で話されている英語もイギリス訛りのインド英語、となかなか興味深かったです。
評価:




(5つ満点)
PR