その後社長自らから、新作発表に間に合わないドレスの刺繍を頼まれる桃子。中学校から刺繍にハマっていた桃子には次々とアイデアが浮かび、社長を喜ばせるが…。
そのドレスの刺繍を明日に仕上げて届けなくてはならないという日に、桃子はイチゴが 『ポニーテール(本当は漢字だけど…)』 内で 『ケジメ』 をつけるため呼び出しを食らったことを知る。
イチゴのために刺繍のドレスの納品が遅れることを社長に電話する桃子。
社長は語る。
『ボクは、洋服に命を捧げてきた。そのために何もかもを犠牲にしてきた。
だからボクには友達がいません。
…行ってあげなさい、そのお友達のために。』
で、桃子はイチゴのケジメ現場へ駆けつけ、タンカを切る。ここが一番の見せ場。なんて言ったって 『…ですわ♪』 と富豪刑事調でそれまでしゃべっていた桃子が、レディース相手にタンカを切っちゃうんですから。そしてそれも口から出まかせってところが最高に面白かった。
その翌日、顔中に可愛らしい絆創膏を貼り付けた桃子がBabyに納品に行き、社長に絶賛され高校卒業後はぜひBabyに入社しデザイナーとして働いて欲しい、と言われた帰り道、桃子の一人語りがこれまたいい。
桃子は語る。
『確かにお洋服作りはアイデアも浮かんだし刺繍も楽しかった。
でも私が好きなのは本当はお洋服を作ることではなく
Babyのお洋服を着ることなのだ。
卒業したら就職して欲しい、と言われたことは嬉しいが
本当はこのままBabyの一ファンであり続けることが
私が本当にやりたいことなのではないだろうか。』
普通なら大好きなブランドのデザイナーに認められ、その製作現場に入れるかもしれない、と言われたら千載一遇のチャンスと思うでしょう。でも桃子は、お洋服を作ることではなく、着ることが私は好きなのだと言う。
ここに哲学を感じました。桃子の人生哲学。イチゴの人生哲学。Babyの社長の人生哲学。
嶽本野ばら、深いです。いい映画です。深キョンが本当にハマリ役で素晴らしい。
(オマケ)ジャスコの全面協力も素晴らしい!(笑)