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実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)

jiturokuasama.jpg時代の鏡
3時間10分。長い。しかし連合赤軍の足跡を辿るには必要な長さなのでしょう。前半ドキュメンタリータッチで実際の資料映像(白黒)を交え解説があり、もしかしてずっとこのドキュメンタリーのままなのか…?と思っていたら途中からフィクション仕立になりました。このフィクションの部分(通常の映画)がとても分かりやすく、なおかつ素晴らしい演出でした。

革命戦士達の精神が徐々に追い詰められていく様…繰り返される 『自己批判』『総括』 。ソーカツしろ!! 夢に見そうだ…。

主演の坂井真紀熱演、だがラスト近くまでこの彼女が坂井真紀だと気付かなかった私って…その位彼女の演技が迫真に迫っていた、ということにしておきましょう。他の出演陣も皆良かったが特にARATAや森役の俳優さん、永田役の女優さんがすごかった。

繰り返される粛清、リンチ殺人、疑心暗鬼の中、集団ヒステリーが高まっていく様は本当に恐い。自らもかつて逃亡した経験があるくせに他メンバーの逃亡を執拗に責め立てる森、女を武器にしていると責めるくせに自分は森とデキちゃう永田。人はなんとあさましいのだろう。

それらをすべて見てきた16才の少年、彼の兄もリンチに遭い、それすらも直視させられてきた彼。夫をリンチされ幼い赤ちゃんを置いて逃げた山本。様相はどんどん悲壮になってゆく。そしてあさま山荘での立てこもり。山荘の管理人夫人に坂口が言うセリフがすごい。
『自分達は革命のために活動している。それは正しいことなのだ。貴女には危害は加えない、我々に協力して欲しい。』

思想、とは本当に恐ろしい。人が思想・信念を持つことは必要だし本来素晴らしいことなのだが、なぜ彼らは自分達の選んだ思想が間違った方向へ走ったことに気付かなかったのだろうか?何のため、誰のため、自分を含む人々が皆幸福になるための革命思想のはずが…?

名前だけは知っている重信房子も若い頃レバノンへ渡るというシーンで坂井と絡んで出てくる。この人があのニュースに出てきた人か…と(女優さんなのに)しみじみしてしまう。やはりこの大事件は、時代というものが絡んだ1つの社会現象なのだろう。昨今の無差別殺人や未成年の凶悪犯罪も、個人の資質の問題で済ませるにはあまりにも重篤な問題すぎる。これらは格差社会の弊害であることに、間違いない。
というのがこの映画のメッセージだと、受け取りました。

評価:(5つ満点)
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1972/02/16
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