ミュージシャンの夢敗れ台北から故郷の恒春に戻った青年アガは郵便配達の仕事に就くが無気力な日々を送っていた。アガは郵便配達の途中で日本語で書かれた60年前の手紙を見つける。そんな時日本の歌手 中孝介を招いて行われる町興しのライブに前座バンドとして駆り出されることに。オーディションで集められたメンバーは寄せ集めで練習もままならない。ひょんなことから彼らのマネージャーをする羽目になった日本人女性 友子とも衝突してばかりだったが。1940年代と現代の台湾を舞台に60年間届かなかったラブレターが2つの時代の恋物語をつなぐラブストーリー。
台湾で大ヒットした本作、公開された2009年に台湾の人々の挨拶は
『海角七号を観ましたか?』 だったとの宣伝文句に大いに発奮し、張り切って行ってきました。映画、映画はやはりヒューマンドラマですね、自主製作並の低予算というのがいくらか分からないけど、そこに信念があれば予算など関係ない、という素晴らしいまでの好例です。
日本人歌手役として本人役で出演している中孝介、物語の伏線となっている手紙を巡る回想シーンでは、手紙を出した日本人教師役もしていたそうです。本人役があまりにベタだったので(セリフ棒読み)同一人物とは全然気付きませんでしたが、教師役はなかなか雰囲気があってよかったです、好演でした。田中千絵も若干エキセントリックというか日本人というステレオタイプで描かれていやしないか、と最初は思いましたが、他の台湾人のキャラが骨太に描かれており、彼女もあれ位キャラを前に出していかないと、実際の台湾社会で生き抜くのはできないのかも、というリアリティが徐々に感じられました。特にマラサン(焼酎会社営業マン)氏は南方台湾人の気質そのままだとあり、キャラの面白さも併せて非常に興味深かったです。
ラストのコンサートも2人の恋の行方も、昭和50~60年代の古き良き時代を見ているようでしみじみしちゃいました。映画はやっぱり、ヒューマンドラマですよね。
評価:





(必見!)
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