『HANA-BI』 というタイトルについて。 『HANA-BI』 は英語の”FIREWORKS”ではなく”FLOWER FIRE”であることに注目して欲しい。FLOWERは 『生』の、そして銃撃を意味するFIREは 『死』 のダブル・ミーニングだ。ビートたけし演じる主人公、西刑事の同僚、堀部(大杉漣)は 『生』 への闘いの象徴的な人物設定だ。堀部が花の絵を描き続けることで 『生き続ける』決意をしていく。(オフィス北野HP解説より)
第54回ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞作。
さてこれも図書館で借りて 『タダ』 で見ました。北野映画はアタリハズレが大きい、というイメージがありましたが、最近の映画はほぼ路線は固まりつつあるようですね。極端なほど暴力的な北野演じる主人公の西刑事が、今回もハマッてます。
大杉漣も私は好きな俳優なので、いい配役で良かったです。西刑事の同僚、堀部刑事役ですが、仕事中犯人との攻防で足をケガした堀部は、家族にも見放され孤独なまま警察を辞職し、海辺の家に住み着きます。そこで堀部が描く数々の絵は、全て北野監督の作品だそうです。
『ビートたけし』 のイメージが強すぎる私たち世代の日本人よりも、外国人にウケる映画であることは否めませんが、限りなく暴力的な西刑事が妻にだけ見せる優しさと、家族を思い忠実に職務をこなしてきた堀部刑事が家族に見捨てられてしまう、この不思議な人の持つ残酷さ、優しさという二面性に着目した映画だと思います。
まぁー難しいことはともかく、北野武が演じる暴力的なシーンはある意味、たまらなくいい出来ですね。とちょっと危ない発言。人間ここまで恐くなれるのかぁ、と感心してしまいます。
評価:




(5つ満点)
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