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読書と映画と観劇と

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受験Week

juken.png突入しました。私立、高専の受検と発表が終わっております。

残すところ第1志望の県立、なんと受検日は3/4です。国立大学の2次試験も始まっているというこの時期に、まだ高校受験が終わらないってどういうことだ…。という親たちのぼやきはよそに、とにかく受検日は3月です。残りわずかの受験生の日々を大切に…と思っているのに受験生本人は、あんな調子でいいのか。

と勝手に親が憤るのは【関係の障害】である。と今日第2王子の参観日の学年懇談会でお話を聞いてきました。関係の障害…親の視点で子どもを見て憤ることをせず、なぜ子どもはこのような行動に出たのか、子どもの視点に戻って親は考えてみることが肝要である。というお話でした。

見方を変えると、世界が変わります。私の見方が変われば子どもも変わるかも、しれませんね。

 

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ノルウェイの森

norwegian.jpg高校時代に親友のキズキを自殺で喪ったワタナベは新しい生活を求めて東京の大学へ進学する。東京でワタナベはキズキの恋人であった直子に偶然再会し2人は頻繁に会うようになる。しかし心を病んだ直子は京都の療養所へ入院することに。その頃ワタナベは大学で快活な女子大生 緑と出会う。70年代の学生運動盛んな大学を舞台に描く。松山ケンイチ、菊地凛子主演。トラン・アン・ユン監督作品。

面白かった?と聞かれるたびに 『面白いかと聞かれたらつまらない映画』 などと答えてしまいました、すみません。

そうですね、流れとしては面白くはないです。ただひたすらワタナベは直子を緑の間で揺れ動く、ただのノンポリ学生に過ぎません。でもそれこそが村上春樹の世界観なのでは。日本語で演じていますが雰囲気は完全にフランス映画です。

ワタナベ。学生運動まっただ中の大学に属していても徹底してノンポリを貫く。友達付き合いをしているのはブルジョア(死語)の先輩。先輩も先輩で散々恋人を振り回し、その恋人は卒業後親の決めた婚約者と結婚した挙げ句、自殺したそうだ。ワタナベは直子にご執心なのは確かだが、それが真の愛情なのかキズキへの想いを投影し続けているのか。しょっちゅうワタナベにちょっかいを出す緑も、失った家族という埋められない孤独をワタナベで埋めようとしているのか、それとも違うのか。

ひたすらに全編に漂う退廃的な感覚が、見事に表現されています。愛とは虚しいだけのものなのか?主義主張(学生運動)とは虚しいだけのものなのか?その答えは自分で出すしかないのでしょう。

純愛ってか、退廃。それが70年代。

(おまけ)友達との会話で私が 『ブルジョワだね~って今言わないか』 と言ったら友達は 『それって今はセレブってことだね』 そうか、セレブ=ブルジョワだったのか!よく分かりました。(やはり私は70年代生まれ)

評価:(松ケンの表情は本当に素晴らしい)

木暮荘物語*三浦しをん

kogureso.jpg駅から徒歩5分、築ウン十年。安普請なそのアパートに暮らす大家と店子の日々を描く。誰もが少しずつ誰かとつながっていることを感じる木暮荘。Feel Love掲載を単行本化。
(三浦しをん)1976年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。『まほろ駅前多田便利軒』 で直木賞受賞。主な著書に 『秘密の花園』 『光』 『三四郎はそれから門を出た』 など。
(収録作品)シンプリーヘブン/心身/柱の実り/黒い飲み物/穴/ピース /噓の味


なんでもない、どこにでもいる市井の人々を描かせたらやっぱり三浦しをんはピカイチと思います。木造のボロアパートを舞台にその住人達を主人公にしたオムニバス…なんて目新しいことが全くない状況で、ここまで読ませるとは、さすが。連作のつなげ方も、さすが!特に2階から1階の女子大生を覗くサラリーマンが主人公の 『穴』 から、覗かれていた女子大生が主人公の 『ピース』 へのつながりが、お見事です。うーん。とうなりました。

エンタメ路線でありながらホロリとさせる技は、やっぱり登場人物ら一人ひとりへの愛情の深さのなせる技なのでしょう。

評価:(5つ満点)

Fの記憶*吉永南央

fnokioku.jpg名前も思い出せず顔もおぼろげにしか覚えていない。だがかつて同級生だった3人の心には、あの日以来 『F』 が棲みついている。40歳を過ぎた今彼らの運命を動かすのは。野性時代掲載を単行本化。
(吉永南央)1964年埼玉県生まれ。群馬県立女子大学文学部卒業。本作収録の 『紅雲町のお草』 でオール讀物推理小説新人賞を受賞。著書に 『オリーブ』 『誘う森』 。
(収録作品)右手/黒いチューリップ/夜明け前に/時

1章がやたらにキツく、ずっとこの調子か…と思っていたら2章、3章とFの印象が徐々に変化していき、終章の主人公がF自身の物語で本当に救われました。この章がなかったら大変なことになっていた(私の気持ちが)。

決して目立つ存在ではなくむしろ日陰ばかりを歩んできた少年Fが、大人になったあの日。1、2、3章それぞれの主人公らの現在の暮らしとは全く関わりのない生活を送っているFが、ぞれぞれの人生に色濃く影響している理由とは。それがやはり終章で明らかになる、F自身の持つ 『優しさ』 なんだろうなぁ。

人の心は本当に単純なものではない。けれども単純に、もっとシンプルに生きてもいいんじゃないかな。とFの背中を見て思いました。読了してから、そしてしばらく経ってからもじわじわと攻めてくる、やっぱり吉永南央の筆力は、すごいです。

評価:(5つ満点)

陽だまり幻想曲*楊逸

hidamari.jpgもうすぐ3歳になる息子のため引っ越した私達。手頃な一軒家の隣には6人兄弟を抱える大家族が暮らしていた。賑やかで奔放な隣家の人々だったが毎週金曜のある出来事が徐々にその生活を脅かしていく。表題作と中国人留学生達の今を描く 『ピラミッドの憂鬱』を収録。群像掲載を単行本化。
(楊逸)ヤン・イー。1964年中国ハルビン市生まれ。お茶の水女子大学卒業。在日中国人向けの新聞社勤務を経て中国語教師。『ワンちゃん』 で文學界新人賞、『時の滲む朝』で芥川賞受賞。著書に 『金魚生活』 『すき・やき』 。
(収録作品)ピラミッドの憂鬱/陽だまり幻想曲

陽だまり幻想曲
ずっとホンワカ系の小説を書いてきた楊氏だったので、ラストの展開には衝撃を受けました。世間に良くある、孤独に陥りがちな子育て中の主婦が、一人息子にせがまれて2人目を産む決意をした途端、隣家に起こる事件。
よくある事件ながら実際に隣人として遭遇すると、こういう風に衝撃を受けるんだろうな、と思います。リアル、を本当にリアルとして感じ取るのが難しい時代になったのかもしれない、と思うのです。

ピラミッド
こちらも日本人社会から見るとあり得なくてとんでもない事件が起こりますが、その社会で生きている人々には当たり前のことであり、ワイロをもらいそのワイロを貯めて国外にいる息子に送金しちゃう、なんて日本でやったら相当な重罪になりますが、中国ではそれをフツーの人達がやってしまう、という現実。それもさほどの罪悪感もなしに。

いずれも主人公の視点の捉え方が定まっており、見事な仕上がりです。物事は、視点によってかくも大きく変わるものです。

評価:(5つ満点)

病気休暇

feb.png風邪を引きました
いつの間にか2月になりました。本当に久しぶりに日付の正しいブログ記事を書かせていただきます(爆)。

風邪を引きました、久しぶりです。どうも木曜日にショッピングセンターの本屋に行ったときからノドがおかしいような気がしてましたが、金曜日はムリヤリすべての活動をこなしてしまいました。金曜日はフルスロットルなのですよ。

朝は小学校の読み聞かせ、午前中はストーリーテリングのサークルの会合、そしてそれを早退して午後は第2王子の学校のスケート教室。屋内リンクでも氷の横ですからやっぱり寒いわけで…背中にカイロ貼ってても寒いわけで。そんなわけで風邪が悪化するに決まってますね。

金曜日夜から頭グラグラ、ああ久々に来た。熱は38度かーと測っても37度(笑)。もはや37度でもフラフラする、情けない。で早寝…のはずが、撮り溜めたビデオ(じゃなくてHDD)の 『相棒』 TVシリーズを3本一気見。相棒は面白いですよ~映画もすごい良かった!何と言っても犯人の背景の描き方が、実に綿密、凝ってます。そうか事件の陰にこんなヒューマンドラマが…と毎回涙(笑)。右京さんの相棒がミッチーになったことも大きいですね、私昔っからミッチー結構好きなんですよ!元祖王子ミッチーがちょっとマヌケな相棒役を務めているなんて!

幸せを届けるボランティア 不幸を招くボランティア*田中優

siawasewo.jpgいいことしてるハズなのにその善意がムダになるかもしれない。実際のボランティア活動としてどんなことが求められているのか、善意はきちんと求める相手に届いているのか。その仕組みを考える。中高生にも取り組みやすいボランティア活動ガイドも掲載。
(田中優)1957年東京都生まれ。未来バンク事業組合理事長、日本国際ボランティアセンター、足温ネット理事などを務める。著書に 『世界から貧しさをなくす30の方法』 『戦争って、環境問題と関係ないと思ってた』 など。

もうちょっと突っ込んだ内容を期待してましたが、14歳の世渡り術シリーズということで中学生向きだからそこまで文句言っちゃいけませんね。

ボランティア、とはタダ働きの意味ではない。自発的に行う、という意味である。とか、さりげなく人の役に立つとはどういうことか。とか、正規の仕事を人件費を削るためにボランティアに請け負わせるのは間違っている!などところどころ頷ける部分が多くありました。正規の仕事→ボランティアのところなんて、司書などと例に挙げられていて、全くその通り!

また中学生向けということで、大人がボランティアをすると嫌味になることでも中高生がやりたいと大人に声を上げて欲しいボランティアもある、などそういう視点もあるのか。と目からウロコでした。グローバルなボランティア、身近な地域ボランティアと色々あるけれども一番大切なことは 『続けること』 。その通りですね。肝に銘じてすべての活動を続けるべく、頑張ります。

評価:(5つ満点)

冬の小鳥

fuyunokotori.jpg1975年ソウル近郊。9歳のジニは状況もわからないまま父親に連れられてカトリックの児童養護施設に預けられる。父のもとに帰りたいと願うジニは院内の人々に反発を繰り返し脱走も試みる。そんなジニを気にかけるのは年上のスッキだった。2人は庭で傷ついた小鳥の世話を始める。スッキはアメリカや遠い国への憧れをジニに語り一緒に外国へ行こうと誘う。かたくなだったジニの心も少しずつ和らいでいくが。

ジニ役の子役の子が上手い!すごい!アシダマナちゃんもビックリ!

70年代のまだまだ貧しい韓国、貧しく規律も厳しいが、温かく描かれている孤児院の様子。厳しい寮母さんの子ども達への愛情、子ども達の幸せを願い養子縁組を勧める院長。それは正しい選択だったのか。最後までそれは分かりませんが、ラスト、パリへ一人旅立つジニの目に、パリの街はどう映るのか。

真摯に生きようとするジニの姿に心打たれ下手な同情心などを湧かせない、素晴らしい演技でした。

評価:(最近の韓国映画オススメです)
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プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
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