駅から徒歩5分、築ウン十年。安普請なそのアパートに暮らす大家と店子の日々を描く。誰もが少しずつ誰かとつながっていることを感じる木暮荘。Feel Love掲載を単行本化。
(三浦しをん)1976年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。『まほろ駅前多田便利軒』 で直木賞受賞。主な著書に 『秘密の花園』 『光』 『三四郎はそれから門を出た』 など。
(収録作品)シンプリーヘブン/心身/柱の実り/黒い飲み物/穴/ピース /噓の味
なんでもない、どこにでもいる市井の人々を描かせたらやっぱり三浦しをんはピカイチと思います。木造のボロアパートを舞台にその住人達を主人公にしたオムニバス…なんて目新しいことが全くない状況で、ここまで読ませるとは、さすが。連作のつなげ方も、さすが!特に2階から1階の女子大生を覗くサラリーマンが主人公の 『穴』 から、覗かれていた女子大生が主人公の 『ピース』 へのつながりが、お見事です。うーん。とうなりました。
エンタメ路線でありながらホロリとさせる技は、やっぱり登場人物ら一人ひとりへの愛情の深さのなせる技なのでしょう。
評価:




(5つ満点)
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