あさえが家の前で遊んでいると、おかあさんが小さい妹のあやちゃんが寝ている間に銀行へと行ってくると言います。あやちゃんが起きる前に帰ってくるとおかあさんは言っていましたが、おかあさんが行ってしまってからすぐあやちゃんの泣き声が玄関から聞こえました。あさえはあやちゃんと遊んでやりますが、ちょっと目を離した隙にあやちゃんがいなくなり…。小さな妹を探して奔走し、やっと見つけたあやちゃんを無言で抱きしめるあさえの姿に、小さいながらも姉としての自覚を持つあさえの心情がよく伝わってくる作品。
第1王子が3、4歳の頃大好きだった本で、毎日のように読んでいたのですっかり内容を覚えてしまいました。4、5歳と思われるちいさいお姉ちゃん、あさえがおかあさんの留守中に1歳位のちいさな妹、あやちゃんの面倒をよくみてやるお話です。あさえはあやちゃんを喜ばせようと地面にチョークで夢中で線路を描くうち、あやちゃんがいなくなってしまいます。
あさえのどうしよう、どうしようというドキドキ感が、林明子の素晴らしい挿絵の効果で一層よく読み手に伝わってくる素晴らしい作品です。第1王子も多分このあさえちゃんのドキドキ感が好きだったのではないでしょうか。
ストーリーはテンポよく進み、最後の裏表紙まで物語が続いています。最後まで余韻が楽しめる作品になっています。
実際に 『ちいさいおとうと』 ができた第1王子にとって、あさえの気持ちが今一層よく分かるのかもしれません。久しぶりに本棚から出して読んでみようかなと思います。
このお話は 『いもうとのにゅういん』 へと続きます。おなじくあさえとあやちゃんの姉妹が出てきます、この事実には実は最近気付きました。時代設定が昭和なところが随所に感じられるのも懐かしい作品です、あさえやあやちゃん、おかあさんの服装とか。昔は道路で遊んでいても誰にも怒られなかったし、それほど危なくなかったのになぁ。
評価:





(5つ満点)
PR