舞踏家の父と暮らす12歳の少女、野宮朔。大人の自覚を持ちつつも自分がまだ子どもであることを自覚している朔の夢は作家になること。女の子達の他愛ない意地悪、気になる男の子の存在、そんな日常を送る朔に、突然暴力が襲う。彼女が選んだたったひとつの復讐のかたちとは。
(島本理生)1983年東京生まれ。立教大学文学部中退。『シルエット』 で第44回群像新人文学賞優秀作、『リトル・バイ・リトル』 で第25回野間文芸新人賞を受賞。主な著書に 『生まれる森』 『ナラタージュ』 など。
島本氏の恋愛モノじゃない小説って初めてかも?小6の少女の語り口が新鮮で、そしてちょっと怖い。身勝手な父親と暮らしているとこういう大人な子どもになってしまうんだろうなぁ。オトナな子どもとコドモな大人の物語、人を傷つける人と、人に優しい人の物語。
こういう話を読むと、やはり子どもに幸福な子ども時代を与えられないのは重罪だと改めて思います。
評価:



(5つ満点)
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