あさえの妹のあやちゃんはいつもあさえが大事にしているお人形のほっぺこちゃんで勝手に遊んでいる、困った妹です。ある日あさえが幼稚園から戻るとやっぱりほっぺこちゃんがいません。するとおかあさんがぐったりしたあやちゃんをおんぶしていて、これからあやちゃんを病院へ連れて行くと言います。あやちゃんは盲腸の手術をすることになり、入院することになりました。おとうさんが帰ってくるまで一人布団にもぐりこんで待つあさえ。おかあさんとあやちゃんのいない夕食の食卓。夜にあさえはあやちゃんに持っていくお見舞いを用意しました、手紙、折り紙、でもあやちゃんのもっと喜ぶものはなんだろう…。小さなお姉ちゃんが妹を思う気持ちが、妹の入院という一大事で大きく成長する様を描いた作品。
『あさえとちいさいいもうと』 の続編です。『あさえ…』 では姉妹の年齢差は4つ位に見えますが、このお話では実際には2つ位に見えます。まぁそれはどっちでもいいのでしょう。
大きくなり3歳位になったあやちゃんは、あさえが大事にしてるお人形のほっぺこちゃんをいつも持ち出してしまいます。私のお人形なのに…あさえはいつも怒っています。でもその日はあやちゃんの様子がいつもと違いました、ぐったりしていておかあさんは病院へ連れて行きます。そのまま盲腸の手術をすることになったあやちゃん、おかあさんはあやちゃんの着替えを取りに戻るとすぐに病院へ行ってしまいます。
心細いあさえ、お友達に居て欲しいと頼みますが、お友達も雨が降るから帰る、と行ってしまいます。雷の鳴る中、布団にほっぺこちゃんと一緒にもぐりこむあさえの不安な気持ち。おとうさんが帰ってきて布団を開けてぱっと明るくなったあさえの視界。
見事な場面展開です。
そして次の日お見舞いに持っていくものを考えているうち、あさえは素晴らしいアイデアを思いつきます。お手紙や折り紙の他に、あさえがあやちゃんに贈ったものとは?
おかあさんの
『あさえちゃん、たったひとばんでほんとうにおおきなおねえさんになったのね』 という一言が、全てを表している作品です。
小さいながらも自分以外の人、小さい妹を思いやる気持ち。そしてその気持ちを認めて褒めてあげるおかあさんとおとうさん。こういうおかあさんにならなくちゃな…でございます。
評価:





(5つ満点)
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