心配症の芭子と能天気な綾香。一回りも年の違う仲の良い友人である2人には、他人に言えない過去があった。恋愛には懲りたはずの芭子に今回淡い出会いが。世間の目に怯えつつもいつかは自分たちも陽のあたる場所で生きて行きたいと人生を模索する日々。刑務所帰りの2人を描く 『いつか陽のあたる場所で』 続編。yomyom11号掲載。
(乃南アサ)のなみあさ。1960年東京都生まれ。早稲田大学中退。広告代理店勤務等を経て作家活動に入る。『幸福な朝食』 で日本推理サスペンス大賞優秀作、『凍える牙』 で直木賞を受賞。主な著書に 『涙』 『鍵』 『しゃぼん玉』 など。
おなじみ芭子と綾香、ムショ帰り二人組の続編。毎回yomyomが発売されるたびに掲載されていないか楽しみにしているシリーズです。
今回は最初からネタバレで恐縮ですが、ハムの人の良心が描かれている初めての作品のような気がします。世間におびえ過去を隠して暮らす芭子と綾香に優しく接してくれる謎の人。それはハムの人だったのだ!お金のない二人に奢ってくれ、ささやかな楽しみを提供してくれた彼。世の中まだまだ人情があるということをハムの人に教わるとは…芭子と綾香じゃなくてもビックリですが、本当はハムの人も優しい人がいるのかもね。
今回もおとぼけ警官、高木聖大が大活躍です(笑)。
評価:(5つ満点)