サチエがこだわるのは、あくまでも 『おにぎり』 。古武道の道場を営む父の信条は 『人生全て修行』 。早くに母を亡くしたサチエはそんな父に厳しく鍛えられ、毎日の家事をこなし学校へ通い、武道の技を磨く毎日。それでも遠足の日や運動会の日には、父は早起きして大きな手でおにぎりを作ってくれた。おかずもない、おにぎりだけのお弁当。でもサチエは本当に嬉しかったのだ。
おにぎりにこうした原風景を持つサチエは、異国フィンランドでもおにぎりを中心とした食堂を開こうと意気込む。風習の違う国でのとまどい、オープン初日からやってきて 『ガッチャマンの歌の歌詞を教えてくれ』 とせがむアニメオタクの青年や、近所の噂好きのオバちゃん達に揉まれながら、サチエは食堂と共に成長していく。
そこへ家族のために尽くしてきたはずなのに、居場所をそこに見つけられない40代のミドリ、50代のマサコが加わって…。小さな事件も起こり、それをみんなで乗り越えて3人の絆が深まっていく。その深まる場所が、フィンランドにある 『かもめ食堂』 。淡々と進む、静かな物語です。
派手さは全くなし。30代後半、40代、50代いずれも独身女性が織り成す、穏やかな日々。しかしこういう暮らしが本当は 『理想的な暮らし』 なのではないでしょうか。
それに、アニメオタクのトンミ青年が好きなのが 『ガッチャマン』 というところも気に入った!(笑)やっぱり日本アニメの代表はガッチャマンよね。
着物好き
ひよこの猫またぎ