YAWARA!のあまりの人気の高さに次もスポーツマンガを、と編集部から請われて連載を開始したHappy!。しかし浦沢氏が描きたかったのは、人間にはキレイな部分だけではなく妬み嫉み、様々な感情があるということだった。それをHappy!で表現しようとしたあまり、編集部の求める作品と浦沢氏の想いの間に溝が生まれてしまったという経緯。
それでも浦沢氏は自分の描きたいものを描き続けてきた。それが自分の生きる道だと信じてきたから。
そしてそれが、MONSTER、20世紀少年、更に尊敬して止まない手塚治虫の作品 『鉄腕アトム 地上最大のロボット』 のリメイクとなるPLUTOへと続いている。
という内容でした。
Happy!は最初の方は読んでいました。その頃連載の週刊誌に勢いがなくなっていたので買うのをやめてしまったのですが、やはり浦沢氏にも表現したいことがこれではない、という迷いがあったのですね。この作品が転換期となったという番組内容でしたが、私は彼の作品では何と言ってもMASTERキートン、その前連載のパイナップルARMYが好きなので、この2作品が全く出て来なかったことがやや不満ですが…。まぁいいでしょう。
浦沢氏の創作現場であるスタジオナッツの内部(確かに本棚には資料の本だらけ!)、彼を支えるアシスタントさんにストーリーを一緒に検討するブレーンの方々と、見所は満載で45分はあっという間でした。
ビデオをセットしながらもその場で見てしまった。こんなことは久しぶり。
最後に浦沢氏の言葉。『プロフェッショナルとは?』 の問いかけに、
『締め切りがあること。そして、その締め切りまでに最善の努力をする人のこと。』
全くもって、至言です。
見逃した方はVHSビデオお貸ししますよ。NHKプロフェッショナル、なかなか見所ある番組です。何と言っても浦沢直樹氏を出演させるのですからね!
手塚治虫を超えた!
強靭な精神
ハッピー!
MONSTER映画化