人は似たような2つの写真、例えば 『毛がもこもこの羊』 と 『毛がすごく短い羊』 を並べると否応なしに 『この間に何があったのか?』 を想像し始めてしまう。大掛かりな人工物から身近な出来事まで 『あいだの出来事』 を面白く想像できる写真を集めた。予想通りのものが表れた時でさえ独特の嬉しさがこみ上げる。佐藤雅彦+ユーフラテスの 『中をそうぞうしてみよ』 『なにかがいる』 に続く科学絵本の第3弾。
(佐藤雅彦)1954年静岡県生まれ。東京大学教育学部卒業。メディアクリエーター、東京藝術大学大学院教授、慶應義塾大学客員教授。主な著書に 『佐藤雅彦全仕事』 『クリック』 など。
(ユーフラテス)慶応大学 佐藤雅彦研究室の卒業生からなるクリエイティブグループ。2005年12月活動開始。
福音館書店の月刊絵本も22年度に入りました。例年4月号はどのシリーズも結構力が入ってるんですよ~ということで皆様も4月号(3月発売分)は要チェックですよ。
今月のかがくのともは、ピタゴラスイッチでおなじみの佐藤雅彦+ユーフラテスの科学絵本第3段。 『なにかがいる』 も結構おはなし会で使ってきた私は楽しみにしてました。Aという写真とBという写真があった時、この間に起こった現象は何か?という写真絵本です。次の見開きページに間に起こった現象の写真が載ってます。解説文にある通り、大体何が起こったかなんて見れば分かるんですけど、それでも 『こういうことだったんですね~』 という種明かしのページを見ると安心するというか納得するというか。大人も子どもも楽しめる絵本です。
またこの 【Aに何らかの現象が起こりBに変化した】 とは、数学的に言えば 【関数】 ということになりますね。ということでこの本、幼児~小学生だけではなく、中学校でのブックトーク(数学)にも使えるんじゃないの!と張り切ってます。折り込み付録の解説は茂木健一郎とこちらも福音館、気合い入ってます(笑)。本当に最近の写真絵本、科学絵本は単なる図鑑絵本ではなくこのように工夫がなされたものが増えてきて、ますます楽しみです。
評価:(5つ満点)