働くことはもっと幸せにつながっているのだ。だから歩き続けよう、自分の根っこを忘れないために。 『貧乏』 は札束ほどにリアルだった。サイバラが幼少期からカネで苦労し続けた半生を赤裸々に語った物語。
(西原理恵子)1964年高知県生まれ。武蔵野美術大学卒業。『ぼくんち』 で文藝春秋漫画賞、『上京ものがたり』 『毎日かあさん』 で手塚治虫文化賞短編賞を受賞。 主な著書に 『パーマネント野ばら』 『いけちゃんとぼく』 『まあじゃんほうろうき』 など。
自作ではいつも毒吐きまくりのサイバラさんができるまで、が分かる本書。しばしば出現する
『負のスパイラル』 という言葉とそこから抜け出せない現実を目の当たりにさせられ、かなりキツイ。それにしても麻雀で
【10年間で5000万円の負け】というすごーエピソードを披露しながらも 『人が人として尊厳を保つために必要なカネ』 の話をとうとうと説いてくれる、すごい一冊。
さすがのサイバラさんとは言えここまで赤裸々に書くのはかなり辛かったのではないだろうか。特に亡くなった夫、鴨ちゃんのことをサラッとだがその実重く、辛く、愛しい存在として書いているところに、サイバラさんの強さと凄さを見ました。
よりみちパンセとして出版されている本書、中高生向きの実用書のシリーズですが結構大人にも読み応えがあります。この本はむしろYAよりすべての大人向け。よりみちパンセの企画力に今回も脱帽。
評価:




(5つ満点)
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