北国の小さな小屋。雪の降る中、小屋に籠り続ける私は日本人形のような白い顔の少女に出会う。 『この庭に、ミンクがいる気がしてしようがないの』 と語りかける少女。言葉の意味が分からないまま私と少女の交流が続いていく。もうひとつの 『ミケルの庭』 の物語。
(梨木香歩)1959年生まれ。児童文学者のボーエンに師事。 『西の魔女が死んだ』 で日本児童文学者協会新人賞、『裏庭』 で児童文学ファンタジー大賞を受賞。主な著書に『からくりからくさ』 『エンジェルエンジェルエンジェル』 『村田エフェンディ滞土録』 『春になったら苺を摘みに』 、絵本に 『ペンキや』 『マジョモリ』 『ワニ』 『蟹塚縁起』 など。
大人になったミケルの物語。彼女は今いくつなのだろう?生きることに迷い、シェルターを求めて北国の雪の中に佇む小屋に埋もれるミケル。そこに会いにきた少女。
最初この少女はりかさんの化身かと思いました、ミケルはりかさんに会ったことがないからりかさんを知らないし。もしミケルの幼い頃にりかさんがそばにいたら、ミケルの生き方も変わっていたのでしょうか。
物語としては非常に難解で、ミケルの出生、母マーガレットの生き様、信条、そしてミケルの生まれ育った家とそこに共に暮らす3人の小母、蓉子、紀久、与希子、すべての背景を知らなければこの物語は理解しがたい部分があるかもしれません。逆に蓉子らをよく知る読者にとっては懐かしい友との再会、そして大人になったミケルへの感慨深い想いが同時に湧き上がる、懐かしくも新鮮な物語となっています。
次回作はミケルが主人公になるのかも。期待してます。
評価:



(5つ満点)
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