年始、原子力発電所を襲った国際テロ。それが図書隊史上最大の作戦の始まりだった。ついにメディア良化法が最大の禁忌に手をかける?図書隊は良化法の横暴を阻止できるのか?手詰まった状況を打破する一手を放ったのは何とタスクフォースの山猿ヒロイン! 『図書館戦争』 シリーズ第4弾にして完結巻、これをもっていよいよ閉幕、果たして、幕は無事に下りるのか!(メディアワークスHPより抜粋)
(有川浩)1972年高知県生まれ。ライトノベル作家。2003年 『塩の街』 で第10回電撃小説大賞受賞、2004年同作でデビュー。著書に 『空の中』 『海の底』 『図書館戦争』 『図書館内乱』 『図書館危機』 『レインツリーの国』 など。『図書館戦争』 で2007年本屋大賞第5位。
正直、なぜ最終巻でこのストーリー展開なのか?コレなら1、2巻の展開内容では?むしろ1、2巻頃のドンパチの方が盛り上がっていたではないか?全体的に印象が薄く、図書隊の無鉄砲さがイマイチ感じられない展開でした。
未来企画が 【日和ってる】 のもイマイチだし、情報部の詳細も最後まで分からなかったし、そして何よりも知りたかった柴崎の過去、彼女だけがどうして最後まで吐露されないのだ?4巻に大いに期待してたのに!柴崎があそこまでスレた女のフリをするのはなぜかとか、本当は柴崎も堂上が好きだったとか、そういう展開を期待してたのになぁ。柴崎と手塚のカップルじゃあんまりつまらなくない?ついでに言えば小牧教官のアツアツ恋愛シーンは読むに値せず、要削除っ。
郁の恋愛がついに成就、というのはライトノベルお定まりコースということでいいかもしれないが、4巻までシリーズを引っ張っておいて最後の恋愛模様はややアッサリしすぎでは?…と大人の読者にはやはりツライ内容だったのかも。玄田と折口の関係をもっと描いて欲しかったのに4巻では全く出てこず、堂上くんの図書隊員になるまでの背景も全く出てこず、と色々な面でも消化不良な感じ。
恋愛面以外にもツッコミは多々あり。
まず正化34年(平成34年に相当)の描き方が弱すぎる。34年に駅で切符買って電車には乗らん!カーナビももっとずっと性能いいのが出てるはず。ストーリーもこれじゃ、村上龍 『半島を出よ』 を見てテロリストが福岡を占拠しに来た!みたいで、それだけでその本が出版差し止めになるという展開には無理がありすぎ。しかも今回は郁一人の活躍ばかりでチームプレーが自慢の図書隊、一体どうした!と言いたくなりました。
以上、図書隊関連も恋愛模様も消化不良の感は否めませんが…でもこのテーマが面白かったのでヨシとしましょう。やっぱり一番好きなのは1巻図書館戦争の堂上クンだな!何はともあれ大団円、お疲れさまでした。 『私にもライトノベルが読めた!』 という自信が、この本のおかげでつきました。
評価:(日和ってる堂上クンはキライ)
有川さん
ライトノベルは