あるがままの自分を受け入れて自分を好きになりなさい、なんてウソ。そう思うあなたに贈る、自分嫌いの呪いを解き放つための心得。すべてのなぐさめとウソばかりのキレイごとを蹴散らす、人生の達人からのメッセージ。
(中村うさぎ)1958年福岡県生まれ。同志社大学文学部英文科卒業。エッセイスト、小説家。主な著書に 『ショッピングの女王』 『私という病』 『女という病』 など。
ショッピングの女王 中村うさぎがYA向けに人生を説く!ってとこがまず注目と大人は見ちゃいますが、中村うさぎ氏を知らないYA世代が読んだらまた私と印象全然違うのでしょうか。
自分嫌いは自分大好きってこと。本当の自分はもっと素敵、もっとスゴイはず、だから今のこんな自分はイヤ!ということだ。というくだり、納得です。10代ってそうですよねぇ。自分の顔が嫌い(なら整形?)とか身体が嫌い(ならダイエット?)とか、順を追って語る構成が巧いです。自分を大好きでも大嫌いでも悩みは解決しない。解決するには 『自分と距離を置くこと』 つまり自分を客観視できるようになること。とある。そうそれが大人になるということなんですね。そうなれば自分を好きすぎ/嫌いすぎな状態よりももっと安定して暮らせるようになる。中村氏の買い物依存症、ブランド好きもこうして治まったとか、うーん説得力あるますな!
本書の結論として 『出口のない物事はない。50年生きてきた私が自信を持って言えるのは、それだけかな』 ってのもいいですね。そうか、どんな物事にも出口は必ずあるんですね、明けない夜はないということです。それから 『自分をイジメなければきっと幸せになれる』 というのもいいですね、そう自分で自分を苛めてはダメ。自分だけは自分の味方、応援団でいなければ。
本書の内容はかなりYA向きに書かれていますが大人女子(※オバちゃん)が読んでも全くOKです。でも男の子にはちょっと伝わりにくいかもしれません、こういう感覚は。
評価:(5つ満点)