平凡で穏やかな 『ふつうの幸せ』 こそ最大の幸福だと人々はやっと気がついた。自慢競争をやめる、お金や恋愛、子どもにしがみつかない、他人の弱さを受け入れるなど、脱ひとり勝ち時代の生き方のルールを提案する。
(香山リカ)1960年札幌市生まれ。東京医科大学卒業。立教大学現代心理学部映像身体学科教授。精神科医。主な著書に 『イヌネコにしか心を開けない人たち』 『親子という病』 『雅子さま論争』 『悪いのは私じゃない症候群』 など多数。
まず読了直後
『はて…これは新書か?』 と思ってしまいました。内容が正直、薄すぎでは?1つ1つのテーマの取り上げ方はすごくいいのに
『でそれから?』 と読み進めようとするともう次の話題に移ってる…で結局何が言いたいのか分からなくなってしまうという。取り上げられているテーマがそれぞれなかなかいいだけに、すごくもったいない感じです。テーマを語るに辺り全体を10としてそのうち9、10まで語れとは言わないけどせめて6、7は語ってくれないと、この本ではそれぞれ2程度しか言及してません。
著者香山氏自身が
『私は別に医者やりたくてやってんじゃない』 と明言し、『明日のパンに困るから今日も働いている』 のであって
『仕事なんてそれ位でちょうどいい』 のだそうだ。やりがいとか生きがいとかを求める必要はないのだと。それでも、香山氏は社会的に責任のある立場で責任ある仕事を任せられていて、それをこなしている氏の発言は 『勝ち組』 発言にしか聞こえなくもないですが…。
最近のいわゆる
『スピリチュアルアドバイザー』 らが結局現世の利益のためになるようなことしかアドバイスしてしない、とか、売春をしてはいけない理由は魂がけがれないためだ、とか、子持ちに対する優遇が昔と逆に増えてきて、今度は逆に子なしに対する差別化じゃないか、とか、諸処にうなづけるテーマを提示してくれてのに、やっぱりいきなりプツンと切れて次の話題に移るって…。すごい消化不良な感じです、これじゃやっぱり新書とは言えないのでは、さすが幻冬舎?(笑)香山氏がもっとちゃんと書いた(?)本を読んでみたいですね。
勝間勝代を目指さない、という帯で話題になった本書ですが、キャリアから皇室入りした雅子妃や90年代を席巻したミス・ミナコサイトウなど懐かしい名前を見るにつけ、やっぱり私達アラフォー世代向けに書かれた本なのでしょうか。それにしてはあまりに内容が薄いのがやっぱり最後の最後まで非常に納得行かないのですが…。図書館待ちの人数の多さに一瞬買おうかとまで思っていた本書ですが、郊外の図書館で新刊コーナーにあるのを借りられて、本当によかったです。
評価:



(消化不良…)
PR