夢、珈琲と煙草、お金、ジェネレーション、発想とオリジナリティ、漫才、孤独と友達。爆笑問題 太田光が 『しごと』 のあれこれをいつもよりちょっとだけまじめに語る。『ぴあ』 連載を再構成して単行本化。
(太田光)1965年埼玉県生まれ。日本大学芸術学部中退。お笑いタレント、漫才師、エッセイスト。田中裕二と 『爆笑問題』 結成。著書に 『パラレルな世紀への跳躍』 『マボロシの鳥』 他多数。近著に 『文明の子』 。
太田さんの文章の魅力は、何と言っても言葉でうまく表現できない微妙なニュアンスをいつもピタッと表現してくれるところだと思うのです。
たとえば、外を歩いている時に、ふと風が吹いて、ふわ~っと頭をなでられると気持ちがいいじゃない?あれって、ふとした風を感じることで自分の存在が確認できているから気持ちいいと思うのね。(中略)会話ですら、他者とコミュニケーションをとることで自分自身を確認している行為だと思う。ふとした風や他者だとか、自分以外のなにかが自己の存在を確認させてくれるということ。違和感と言ってもいい。そんな違和感をたまに感じられていないと、人間って生きていけないんじゃないかと思う。(珈琲と煙草のはなし P34,35)
この段落を読めただけで、この本読んでよかったー!と思えること。それが、本を読んでいて何よりも楽しいことではないでしょうか。巷に溢れている沢山の活字、活字、活字、その中からふと見つけ出すことのできる、きらめきを放つ一文。いやーいいですねぇ(笑)。
そんな一文に出会うために、今日も読み続けるのです。太田さんについては賛否両論、好きと嫌いと皆さん分かれているかと思いますが、私はもちろんこうして彼の文章を好んで読むくらいですので太田さん自身も好きです。新しい小説 『文明の子』 にもまた大いに期待してます。
評価:



(それにしちゃ評価低い?笑)
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