かなえは知らない町に引っ越してきました。まだ誰にも住所を教えていないはずのかなえの家に、郵便が届きます。それはすみれの花束であったり、子どもの書いた手紙であったり…。『とん ことり』 という郵便屋さんの音(ポストに落ちる音)がいつもかなえにはしっかりと聞こえるのです。そしてその送り主とついに出会ったかなえ。
引越し先で新しい生活へ向けて不安な気持ちで過ごす幼い女の子の心情と、それを希望へと変えてゆく数々のポストに届く郵便。筒井頼子の秀逸な文章と林明子の素晴しい挿絵で贈る物語。
最近の第2王子のお気に入りで、気が付くと毎晩読まされます(苦笑)。でも第1王子は同じ位の年の頃、やはり林明子の 『あさえとちいさいいもうと』 が大好きでした。たくさんあるこどものとものうちでも、セロテープで補修があるのは 『あさえ…』 だけです。その位読み込みました。
その弟は 『とん ことり』 が大好き。やっぱり林明子の絵にはたまらない魅力があるのでしょう。
最初この本に出会った時は、お引越しをされる方に贈るのにちょうどいいな、と思っていました。実際お引越しをされた方に贈ったこともあります。でもそれだけではなく、新しい環境にとまどいそしてその中で新しい希望(楽しみ)を見つけたかなえの心情を活き活きと描いている、そこに大きな魅力があるのでしょう。
最後にかなえは郵便の送り主に出会います。
よーくよく見ると、それ以前に幼稚園見学に行った際に陰から覗いている女の子がいますが彼女はもしかして…。でも第2王子には自分で見つけて欲しいので種明かしはまだしていません。
評価:





(5つ満点)
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